高層ビル街で渡り鳥が大量死

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高層ビルの立ち並ぶロウアーマンハッタンの一角で、大量の渡り鳥が死んでいるのが見つかった。

野鳥保護団体「NYCオーデュボン」(New York City Audubon)のボランティア、メリッサ・ブレイヤーさんが、SNSに投稿した映像には、地面に横たわる無数の鳥が映っている。この日、300羽近い死骸が確認されたという。

同団体のアソシエイト・ディレクター、ケイトリン・パーキンス氏は原因について、週明けの暴風雨の影響で「鳥が低空飛行したか、方向感覚を失い混乱した可能性がある」とAP通信に語っている。

団体の推定では、ニューヨーク市では毎年9万羽から23万羽が、全米全体では約10億羽がバードストライクで死亡している。パーキンス氏らは、鳥が認識できるガラスを建物に使用することや、混乱を与えないよう夜間の照明を落とす必要があると訴えている。

ガラス張りの高層ビルが立ち並ぶロウアーマンハッタン(mashupNY)

ワンワールドトレードセンターの開発を手がけたDurst Organizationは、AP通信にバードストライクを避けるため、「60メートル以下の部分に非反射性のガラスを使用している」と回答。また、周辺ビルを手がけたSilverstein Propertiesは「渡りの季節には、テナントに照明を消したり、ブラインドを下げるよう積極的に奨励している」と述べるなど、対策を講じていると強調した。

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なおニューヨーク市議会では2019年、新築の建物の下から23メートルの部分には、パターンや色の入ったガラスなど「鳥に優しい」素材の使用を義務化する法案が可決されている

ミッドタウンにある「ジャビッツ・コンベンション・センター」では2015年の改装で、模様の入ったガラスを採用。その結果、バードストライクが90%減少したという。

Jakob K. Javits Convention Center
Jakob K. Javits Convention Center, photo by Leonard Zhukovsky / Shutterstock.com