Wi-Fiキオスクは見ている。LinkNYCに監視カメラ

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数年前よりニューヨークの街頭に設置されているWi-Fiキオスク「LinkNYC」に、監視カメラが備えられている事が分かり、市民から驚きや疑問の声が上がっている。

LinkNYCは、コミュニケーションネットワーク用デバイスで、無料でハイスピードWi-Fiを利用したり、電話(緊急通報を含む)をかけたり、USBで電源をチャージしたりすることができる。巨大な液晶画面では広告やニュースが流れる。マンハッタンの主要道路では1ブロック毎に設置されており、総台数は1,800台に上る。

今週初め、ウエストヴィレッジやチェルシーなどで、複数のキオスクが破壊される事件が起きた。画面には、何かを強く投げつけた跡があり、ニューヨーク市警察(NYPD)が公共物の器物損壊事件として、公開捜査を開始していた。

24日、NYPDは41歳の男性、ホアン・ロドリゲス(Juan Rodriguez)容疑者を拘束したと発表。42台のLinkNYCをレンガなどで破損したとして、器物破損の罪で逮捕した。

ユーザーデータを収集

捜査で公開された動画には、容疑者が画面に向かって物を投げる様子が鮮明に映っていた。男性への非難とともに、この動画によって、監視カメラが搭載されていることを初めて知る人も多く、プライバシーの侵害を危惧する声も上がっている

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LinkNYCは、市ではなく、一般企業のシティブリッジ社(CityBridge)によって設置されており、広告費用などで運営されている。
Interceptによると、シティブリッジは、インターセクション社(Intersection)の企業コンソーシアムの一部で、その最大投資家のうちの1社はサイドウォーク・ラブズ社(Sidewalk Labs)である。サイドウォークを所有するのはグーグル(Google)の親会社であるアルファベット社(Alphabet Inc)だという。

サイドウォーク・ラブズ社のCEOで、前ニューヨーク市副市長ダニエル・ドクトロフ(Daniel Doctoroff )氏は、LinkNYCに関し「Wi-Fi使用時のブラウジングを追跡し、匿名化かつ集約化することで、ターゲット広告を行うことができる。」と述べ「我々は、物理的な空間において、デジタル体験の再現を行っている。」とデータ活用を示唆していた。

2017年版のキオスクよりカメラは標準搭載されているという。カメラは3つ装備されており、2つは監視カメラ、1つはユーザーのビデオ電話用だ。(カメラは隠されているわけではなく、液晶に近づくと容易に発見できる)
データのプライバシーポリシーに関して、サービスの改善や、違法行為への対応及び捜査、器物損壊、法律に義務付けられた場合、緊急時や安全保護の場合に関しては対象外となり、使用及び共有されることもあるという。