児童による強盗増加、現代版「オリバー・ツイスト」と警戒 NY市

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ニューヨーク市では、10代に満たない子供による強盗が増加しているという。警察は、「現代版オリバー・ツイスト」だとして、警戒を呼びかけている。

CBSニューヨークが入手した監視カメラの映像には、マンハッタンのアッパーイーストサイドにあるバーに、8、9歳とみられる子供が1人で入店し、奥へと向かう様子が撮影されている。子供は地下室にあった金庫から現金700ドル(約10万円)を盗んだ。

被害にあった店のオーナー、スティーブ・ウェブさんによると、少年は数カ月間、近隣の店や客を標的とした強盗を繰り返しているという。

彼らは「バスケットボールチームへの寄付」を求めて歩き回り、「犯罪の機会を窺っている」と説明。スキがあれば、財布やバッグなどを奪い逃走すると手口を語った。周辺では、大人が監視している姿も目撃されており、子供たちが犯罪に利用されている可能性を示唆した。

ニューヨーク市警察は同局に対し、少年らは拘束されたとしても、年齢を理由に、少年法でも起訴されないだろうと説明。ただし、強盗の手助けをしたとして親が逮捕された場合、子供を危険にさらした罪で起訴されると加えた。

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ニューヨークポスト紙によると、アッパーウエストサイドにあるバー、アムステルダム・エール・ハウスでは8カ月ほど前から、少年による置き引きなどが増加している。子供たちが客の食べ物を掴んで突き飛ばしたり、刃物を突き付けて脅したりするなど、犯罪行為はエスカレートしているという。

イーストビレッジのバーでは、店主や従業員がプライベートのグループチャットで、犯罪に関する情報交換を行なっている。犯罪を捉えた監視カメラの映像や、釈放中の犯人の目撃情報なども共有されているという。ある女性のバーテンダーは同紙に、銃を持った男に脅されていると通報しても、警官が現れたのは2時間後だったと不満を口にしている。