イラン攻撃は人種差別?元NFLキャパニックのツイートを巡って物議

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Colin Kaepernick
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米軍によるイラン革命防衛隊のカセム・ソレイマニ司令官の殺害に関し、元サンフランシスコ・49ersのクオーターバック、コリン・キャパニック氏が投稿したツイートが、2万回以上リツイートされるなど、物議を醸している。

キャパニック氏は4日「アメリカ帝国主義の拡大のためにアメリカ人テロリストがブラックとブラウンの人々を攻撃するのは今に始まったことではない」とツイートした。

さらに別の投稿で「アメリカの軍国主義は、非白人世界を略奪し、取り締まりを強化するためにアメリカ帝国主義が振りかざす武器なのだ」と述べた。

キャパニック氏のツイートに、元NBCキャスターのメーガン・ケリー氏が反論した。

「すべてが人種差別だからね。すべてが。たとえアメリカ人を殺すテロリストに攻撃をやりかえしても。ナイキよ、誇らしい?」

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ナイキはキャパニック氏をキャンペーンに起用しているほか、昨年はコラボスニーカーを発売して話題になった。

なお、キャパニック氏は2016年、NFL公式戦の国歌斉唱の際、起立を拒否し、膝をついたことで知られる。行為は、警察官による黒人への暴力に対する抗議を示したもので、その後、他のチームの選手に波及した。

一方、ケリー氏は2017年にFoxニュースからNBCに電撃移籍したものの、番組内の発言がブラックフェイスを擁護したとして非難が殺到。番組が打ち切りとなり、昨年1月に同局を退社した。

ケリー氏の発言対し「グローリー/明日への行進」「ボクらを見る目」などで知られるアフリカ系アメリカ人の女性映画監督、エイヴァ・デュヴァーネイ氏が反応した。

デュヴァーネイ氏は「恥を知れ」とメーガン氏を非難。するとケリー氏は「正当な主張を批判するようなでたらめな人種差別の主張に挑むことを私は恥ない。」と反論。続けて「テロリストを殺害することは肌の色ではない。数百人のアメリカ人を殺した男から国を守るためだ。以上。」と述べた。

2人の舌戦は続いた。デュヴァーネイ監督が「人種差別と正当な主張について語る前に勉強しなさい。あなたの主張はあなたそのもの。無教養で、目立ちたがり、捨て身。」と述べると、ケリー氏は「ソレイマニを肌の色を理由に殺害したと考えているのならば、あなたこそ勉強すべきよ。」と言い返した。

一方、トランプ大統領と近しいリンジー・グラハム上院議員(共和党)は番組内で、キャパニック氏の発言を非難した。

Foxニュースの番組で意見を求められたグラハム議員は「彼はフィールドの中でも外でも敗者だ。イランの体制が地域に何をしたのかわかっていないし、イランで製造され、イラクで使用された即席爆発装置(IED)によって、600人のアメリカ人が死んだことについてもわかっていない」と発言。続けて「アメリカ人的でない。彼は人種差別主義者だ。アメリカの中に人種差別を見るならば、キャパニック氏よ、鏡をのぞきたまえ。君の国は問題ではないのだ。問題はイランで、君はトランプを憎むばかりに、我々が誰であって、ハメネイが誰なのか、違いがわからないほど盲目的になっているのだ。」と語った。