NY市の配車サービスの空車時間規制は無効。州裁判所が判決。

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ニューヨーク州高位裁判所は23日、配車サービス企業に対するニューヨーク市の空車時間の上限規制は「恣意的」で「正当な根拠がない」とし、無効とする判決を下した。米複数メディアが報じた。

ニューヨーク市タクシー・リムジン委員会は8月、渋滞緩和を目的に、配車サービスのライセンス発行数の上限規制を延長するとともに、空車で運転する時間に関する上限規制を可決した。

規制は、マンハッタンの96ストリート以南を走行する配車サービスの車が対象。平日の午前6時から午後11時時、休日の午前8時から午後11時の時間帯について、空車での走行時間を段階的に31%まで引き下げることを義務付けている。具体的には、走行時間に占める空車の割合(現在は41%)を、2020年2月までに36%に、2020年8月までに31%に引き下げるとしている。

これに対し、ウーバーは9月、規制が誤ったデータに基づいており、ニューヨーク州で先に混雑課金プログラムが成立していたことを理由に、州法の優先的適用に反すると主張、停止を求めて提訴した。10月にはリフトも提訴に踏み切っていた。

ライル・フランク判事は、判決理由について「どこから(数字)が来たのか、全く示されていない」と31%上限の合理性を不十分としたほか、リクエストをした客を載せるために運転する時間を空車時間に含めるべきではないと述べた。

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空車時間の規制は来年2月から施行を予定していた。

判決を受け、ウーバーは「政治的な動機に基づく規制に対して、ドライバーのフレキシビリティのために戦うとともに、真に混雑に対処する政策を支持する」と声明を発表。リフトは「州と市の指導者とともに、たった一つの真の解決策である包括的混雑課金でもって、ニューヨーク市の交通課題を解決する取り組みを心待ちにしている。」と発表した。

一方、ニューヨークポスト紙によると、市長室報道担当のOlivia Lapeyrolerie氏は、上訴を含めて対応を検討すると発表。「われわれは働き者のドライバーとニューヨーカーを守るために規制を設けている。われわれは彼らを守るために戦う」と語っている。

ライセンスの上限規制については、ウーバーが今年始めに提訴していたが、11月に棄却されている。