ジョン・マケイン米上院議員(81歳) が死去

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25日、ジョン・マケイン(John McCain)上院議員(共和党、アリゾナ州選出)が、アリゾナ州の自宅で亡くなった。

マケイン氏は、2017年に悪性の膠芽腫が発見されたことを公表。放射線治療と化学療法を定期的に行ってきたが、病状が悪化。24日にはマケイン氏が治療を停止したことを家族が発表していた。4日後には82歳の誕生日を迎える予定だった。

ジョン・マケイン氏は、1936年に海軍の父のもと、パナマ運河領域にある海軍基地で生まれた。基地を転々としたのち、海軍兵学校に入学。卒業後海軍パイロットの道に進んだ。

31歳でベトナム戦争に加わる。ハノイで飛行機が撃ち落とされ、北ベトナム軍に捕らえられたマケイン氏は、5年間以上捕虜として収容所に収監され、拷問を受けたという。拷問による怪我で、生涯にわたり、腕が肩より上がらなくなる障害を抱える。

1982年に共和党の下院議員として初当選。86年には上院議員に選出され、6期を務めた。
当選後の道のりは平坦ではなく、1989年には、Lincoln Savings and Loan Association会長の、チャールズ・キーティング(Charles Keating Jr.)から10万ドルの献金を受け取っていたことから、他の議員4人とともに、上院倫理委員会の調査を受けることとなる。スキャンダルに巻き込まれた5人の議員はキーティング・ファイブと呼ばれた。委員会は、マケイン氏の行動を「軽率な判断」としたものの、不正はなかったと結論づけた。この不名誉な経験から、1990年以降、選挙資金制度の改正に尽力することとなる。

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大統領選には2度の出馬を経験。2000年は予備選挙で当時テキサス州知事のジョージ・W・ブッシュ氏に敗退した。また、2008年の大統領選挙では、共和党の大統領候補として立候補し、民主党のバラク・オバマ氏と対決した。

マケイン氏は、トランプ政権には度々反対の立場を取ってきた。2017年7月には、悪性脳腫瘍が診断された直後に、ワシントンDCに戻り公務に復帰し、オバマケア廃案を目的としたヘルスケア法案に反対票を投じ、成立を阻止した。また、今年7月の米露首脳会談で、トランプ氏が自国の捜査機関や議会の結論よりも、ロシア側の主張を優先する発言をした際には、「私が知る限り、アメリカ大統領によるもっとも恥ずべき振る舞いである」「圧制者を前に、これほどまで惨めに自身を貶めた大統領はかつていない」と痛烈に批判した。