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米人気食料品店トレーダー・ジョーズ創業者、ジョー・コロンブさん89歳で死去

米国でカルトな人気の食料品チェーン店トレーダー・ジョーズ(Trader Joe’s)の創業者ジョー・コロンブ(Joe Coulombe)さんが28日、カリフォルニア州パサディーナ(Pasadena)の自宅で死去した。89歳だった。
家族がAP通信に明らかにしたところ、長らく病気を患っていた。コロンブさんには、奥さんのアリスさん、3人の子供、6人の孫がいる。

コロンブさんは1967年、新鮮で健康に良い食料品を、手頃な価格で購入できる店を作ろうと、パサディーナにトレーダー・ジョーズを設立した。現在42州で約500店舗を展開している。

1930年6月3日生まれのコロンブさんは、カリフォルニア州サンディエゴのデル・マー(Del Ma)のアボカド農場近くで育った。空軍に入隊した後、スタンフォード大学で経済を勉強し、経営学の修士号を取得した。

インサイダーによると米国では1944年、第2次世界大戦の退役軍人に対して、政府が学費や職業支援を行う復員兵援護法(GI法、GI Bill of Rights)が成立。これを受け、若者の高学歴化が急速に進んだ。コロンブさんは「これらの人々は何か違うものを望んでいた。」と創立のきっかけを語っている。
就職先の食料品店「プロント」(Pronto)を買取り、約10年間営んだ後、1967年にトレーダー・ジョーズ1号店をオープンした。

1970年には、プライベートレーベル商品の発売を開始。中間業者を排除し、生産者と直接取引きすることで低価格化を実現した。
コーン缶や、ナッツパック、グラノーラ、調味料などのシグネチャーアイテムや、オーガニック野菜、手軽で高品質のカリフォルニアワイン、トロピカルをテーマとした内装や手書きの札、フレンドリーなスタッフ、オールドスタイルなパッケージや紙のニュースレター「フィアレス・フライヤー」など独自の商品やサービスで、多くのファンを獲得してきた。

同社は小売業の中で最も給与が高いと言われ、従業員に対する手厚い処遇でも知られる。AP通信によると、年7-10%の昇給や医療保険、退職プランなどを提供しており、長年勤務する従業員も多い。また、コロンブさん夫妻は、慈善事業家としても知られている。

トレーダー・ジョーズは1979年、テオ・アルブレヒト(Theo Albrecht)氏が経営するアルディ・ノード(Aldi Nord)社へと売却された。アルディは現在も親会社としてトレーダー・ジョーズを経営している。コロンブさんは1988年まで最高経営責任者(CEO)を務め、2013年に引退している。

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