米紙、日本で大谷選手のネガティブ報道出ないワケを考察

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ロサンゼルス・タイムズは3日、賭博に対する「文化的な反感」が存在する日本で、なぜ大谷翔平選手に対するネガティブな報道が出ないのかを考察する記事を掲載した

編集者で記者のスティーブ・ヘンソン氏は、通訳を務めた水原一平氏の違法賭博スキャンダルの発覚後も、大谷選手は日本で「さらにいっそうの敬意と高い評価で扱われている」と説明。「カンペキなヒトの象徴」としての大谷選手のイメージは、健在だと伝えている。

日本における報道に関して、「大統領選に相当するほど」「米国と異なり、大谷に疑問を投げかける報道はほとんどない」「大谷は水原にだまされた被害者とみなされている」「ほとんどの人が大谷の発言を信じている」と現地の日本人レポーターの声を元に紹介した。

ヘンソン氏は、50年以上前に起きた「黒い霧事件」や、元巨人の高木京介投手によるスポーツ賭博事件が起きているにも関わらず、大谷選手が同じような道を歩んでいると考える人々は「ほとんどいない」と指摘。大谷選手に対するネガティブな内容は、米国の記者やコラムニストの引用にとどまっており、日本のメディアは、「大谷選手を批判したり、最悪のシナリオについては推測したがらない」と評した。

一方、大谷選手が会見で「口座からお金を盗んで、なおかつ皆に嘘をついた」と主張した水原氏に関しては、「うってつけの悪者」扱いされていると説明している。

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また、日本の記者は、大谷選手をはじめとしたMLBの選手に「私生活についてほとんど質問しない」とも指摘している。さらに、彼らは選手よりも前に球場にに到着し、選手が去るまでその場に留まることが求められていると説明した。あるスポーツ紙の記者はヘンソン氏に「われわれは毎日一緒に仕事をする必要があり、誤ったことを書いて出禁にされたくない。翔平の望む範囲で働きたいと思っている」と語ったという。

水原氏の違法賭博の疑惑をめぐって、米国では、連邦捜査当局とMLBによる調査が進められている。

なお、LAタイムズのスポーツコラムニストを務めるビル・プラシュケ氏は大谷選手に関して、スキャンダルで残ったのは「純真さの喪失」と綴っている。