ニューヨーク路上で元オバマ政権当局者が暴言、パレスチナの子供4,000人の死「十分ではない」

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マンハッタンの路上でフードカートを営業する男性に対して、白髪の男性がイスラム嫌悪の暴言を浴びせる様子を撮影した動画が出回った。あまりに露骨で執拗な差別的言動に、ネットでは「空いた口が塞がらない」といったコメントが投稿されている。

2分ほどのビデオで、男性は「エジプトのムハーバラートが君の写真を欲しがっている」と、秘密警察を指すものと思われる発言をした後、「ムハーバラートはエジプトで君の親を捕まえる。父親は爪を一枚づつ剥がされるのが好きか?」と笑みを浮かべながら述べた。

立ち去るよう求められると、「俺はアメリカ人だ。自由の国だ。エジプトのような国とは違う」と拒否。手にしていた携帯電話で写真を撮影し、「君はムハンマドがしたように娘をレイプするのは好きか?」「彼はレイピストだ」などと暴言を連発した。カートの男性が会話を拒否するために英語がわからないと告げると、「コーランの言葉か」「人々がコーランをトイレに使っているのをどう思うか」「だから君はカートで食べ物を売っているんだ。無教養だからだ」と侮辱し、「英語を勉強するべきだ。エジプトに強制送還されるときに役立つ」と不法移民と決めつけた。

このビデオが出回った後、男性は、オバマ政権で国家安全保障会議南アジア総局の長官代理を務めたスチュアート・セルドウィッツ氏であることが判明した。本人のLinkedInのプロフィールには、2009年から2011年まで「ホワイトハウスの政策策定者にインド、パキスタン、アフガニスタンの米国政策について助言をしていた」と記されている。その後は、ブルームバーグの編集者、ニューヨーク州の出先機関、保険エージェントを経て、現在は金融企業で財務担当を務めるとある。

このほかに、政府へのロビー活動を支援する企業「Gotham Government Relations」の「外交議長」だったことも判明したほか、10月に受けたポッドキャスト番組のインタビューで、1993年から2003年まで国務省イスラエル・パレスチナ問題局で副局長を務めたと名乗るなど、パレスチナ問題のエキスパートだったことも明らかになった。

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セルドウィッツ氏は、フードカートの男性に複数回にわたる嫌がらせをしていた。

日中に撮影された別のビデオでは「この男はハマスを信じているという看板を設置するつもりだ」と述べ、「営業許可は持っているのか。でもビザは持ってないだろう」と憶測を並べ立てた。カートの男性がアメリカ市民だと告げると、「どうやってなったんだ」「でも君はテロリストだ。テロリストを支援している」と問い詰め、さらに「パレスチナ人の子供を4,000人殺したとしても、わかるか、それだけでは十分ではなかった」と驚くべき発言を繰り返した。

この投稿を受け、先述のGotham Government Relationsは「セルドウィッツ氏は何年間もわれわれの業務に貢献しておらず、すでにすべての関係を終了している」と声明を発表。「彼の行いは卑劣で人種差別、われわれが採用する尊厳の基準を下回っている」と非難した。