プーチン氏 南米への脱出プラン用意 元側近が主張

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ロシアのウクライナ軍事侵攻が失敗に終わった場合に備え、プーチン大統領を国外脱出させる計画があると、元側近が明かした。

計画について明かしたのは、プーチン氏の元スピーチライターで、現在は独立した政治アナリストとして活動するアッバス・ガリヤモフ氏。

ガリヤモフ氏は6日、テレグラムの投稿で、「非常に信頼している情報筋」から得た情報だとして、プーチン氏の「政治局」で、今年の春からプロジェクトが始まっていると説明。計画は「ノアの箱舟」というコードネームで呼ばれ、その名の通り祖国に住めなくなった際に向かう、新天地を探すものだとした。

9月以降ロシアの劣勢が伝えられているが、専門家の間では、プーチン氏が権力の座を追われることはないとの見方が強い。10月のロイター通信の報道では、欧米の政府外交筋がプーチン氏の権力基盤は未だ固いとしていたほか、米情報機関も今年5月、プーチン氏が地位を危うくする可能性に懐疑的な見方を示していた。

しかしガリヤモフ氏によると、プーチン氏の取り巻きらは「侵攻が失敗して権力を失い、直ちに国を脱出しなければならなくなる可能性」を排除していない。

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最初に中国が候補地として検討されたが、現地で「協力」が得られる見通しがないとして、却下されたという。ガリヤモフ氏は「中国人は自意識過剰で他者を軽蔑しすぎる。特に敗者に対しては」と却下の理由を説明した。

なお中国案を提示したのは、バンク・ロシアの筆頭株主で「プーチンの個人バンカー」と呼ばれるほど親しい、ユーリー・コヴァリチュク氏だったという。

ガリヤモフ氏によると、現在有力視されているのは南米のアルゼンチンとベネズエラで、後者については、ロシアの石油大手ロスネフチのCEOで、マドゥロ大統領とも個人的つながりのあるイーゴリ・セーチン氏が監督している。すでにセーチン氏の右腕とされる人物が、組織を離れ、現地の調整に直接携わっているという。

なおガリヤモフ氏は現在、亡命先のイスラエルで暮らしており、今年2月のロシアによるウクライナ軍事侵攻開始以来、メディアに度々出演し、戦況を解説するなどしている。