ニューヨーク市議会 フォアグラ禁止法案を提出

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ニューヨーク市のカリーナ・リベラ市議会議員(民主党)は1月24日、レストランやベンダーによるフォアグラの販売を禁止する法案を提出した。

成立した場合、違反者には1,000ドルの罰金または1年以下の懲役が科される。

リベラ議員はニューヨークポスト紙に対し、アヒルやガチョウに強制的に餌を与えるフォアグラの生産過程を実にひどいものだとし、あまりにも長い間許容されてきた、と語った。

またフォアグラは「ニューヨーカーの日常食の一部ではない」と述べ、フォアグラを提供するレストランはニューヨーク市全体のレストランの1%にも満たない、とフォアグラが不必要であることを強調した。

なおリベラ議員は、議員に当選する何年も前にフォアグラを食べたことがあったとことを認めている。

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法案を支持するジャスティン・ブラナン議員(民主党)は、ニューヨークポスト紙に「紀元前2500年なら受け入れられたかもしれないが」とし、「奇怪な珍味をつくるために、鳥に強制給餌し病気にさせるのは、おぞましく、非人間的だ」と語った。

同紙の取材に対し、少なくとも2件のレストランが、法案を不公平だとし、経営に対する影響を懸念していると、匿名で回答した。その他のレストランはコメントを拒否、または返信をしていないという。

フォアグラの禁止を巡っては、カリフォルニア州で2004年に法案が成立し、2012年に施行された。これに対し、生産者組合など業界が反発。2015年には連邦地裁でフォアグラ禁止を違憲とする判決が下った。しかし、2017年にサンフランシスコの控訴裁判所によって、連邦地裁の判決が覆された。原告側は最高裁に上告を試みたが、今年1月8日に最高裁が棄却したことで、フォアグラ禁止法が正式に施行されることとなった。

最高裁の決定を受け、動物保護の法制化や議員の当選を支援する「Voters for Animal Rights」は「何年にも及ぶ法定闘争を経て、とうとう禁止が実施に至った」と述べる一方、「ニューヨーク州で、最大のフォアグラ生産者がいまだ営業をしている」「ニューヨークが立ち上がる時だ」と呼びかけた。

↓動物愛護団体「Animal Equality」による、強制飼養の状況を伝えるビデオ。