第73回コロンブスデーパレードが開催

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9日、ニューヨークでは第73回コロンブスデーパレードが、ミッドタウンの五番街で開催された。雨の降る中、多くの人がパレードに参加し、イタリア系アメリカ人のコミュニティーの発展を祝った。

コロンバスデーパレード
©mashupNY
コロンバスデーパレード
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コロンブスデー(Columbus Day)は、イタリア出身のクリストファー・コロンブス(Christopher Columbus)が、1492年10月2日にアメリカ大陸を発見したことを記念し、毎年10月の第2月曜日が祝日と定められている。
一方で、コロンブスが、先住民に対する残酷な行為や奴隷貿易に加担した人物でもあることから、カリフォルニア州バークレーなど、コロンブスデーを認めていない町もあるなど、議論のある祝日となっている。

コロンブス像も撤去の声も

8月にバージニア州シャーロッツビル(Charlottesville)における白人至上主義団体と反対派の衝突では、1名の死者を出した。この事件以来、奴隷制度を支持した将軍など、ヘイトの象徴となる像を撤去する動きが、全米で急速に広がっている。

同月、ニューヨークのビル・デブラシオ市長(Bill de Blasio)は、ニューヨーク市内にある「ヘイトのシンボル」となる像の見直しを行うと発表し、コロンバスサークルにあるコロンブス像も対象となった。
この決定は、イタリア系アメリカ人らから非難を浴びており、今回のパレードでは、ブーイングも起こったという。

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デブラシオ市長は、パレードの開催前に、テレビの取材に対して「クリストファー・コロンブスの像について議論するのはよいが、イタリア系アメリカ人の貢献について議論すべきではない。それは、疑いの余地がない。」と回答している。

また、アメリカ自然史博物館では、何人かの活動家が「アンチ・コロンバスデーツアー」を開催したという。 

現在、コロンバスサークルにあるコロンブスの像は、何者かに損壊が加えられないよう、24時間ニューヨーク市警察に監視されている。