欧州議会 著作権指令の改革案を承認 – ユーチューブ、フェイスブック、グーグルニュースに直接影響

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欧州議会は26日、インターネット上の著作権保護を強化することを目的とした著作権指令の改正案の採決を行い、348-274で承認することを決定した。

同日、欧州議会は、改革は「著作権法に関する権利と義務がインターネットに適用されることを目的」としたもので、ユーチューブやフェイスブック、グーグルニュースがこの法律によって直接的に影響を受けると発表した。

法案の中では、とりわけ第11条と第13条が議論の的となってきた。

第11条は、プラットフォームやグーグルニュースなどのニュースアグリゲーターが表示するニュースコンテンツの一部に対して、メディア側が支払いを求めることを可能とするもので、「リンク税」の名で知られる。

第13条は、「アップロードフィルター」と呼ばれ、ユーチューブやフェイスブックのプラットフォームに対し、著作権で保護された素材が許可なく公開されることを防ぐための積極的な措置を義務付け、責任を求める。これによりプラットフォーム企業は、すべての公開前のコンテンツをフィルターする必要が生じると考えられている。

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発表によると、ミームやGIF画像は、規定から除外されるほか、ウィキペディアのような非営利サイトや、GitHubなどのオープンソースのソフトウェアプラットフォームも除外対象となる。

また、ニュース記事のスニペットをシェアすることは指令の対象外で、これまで同様に継続が可能であると発表している。一方、指令にはアグリゲーターが悪用することを防ぐための規定が含まれているとし、「スニペット」は、「非常に短い」場合に、グーグルニュースのニュースフィード、またはフェイスブックに表示することができるとしている。

議会の承認後、グーグルは英紙ガーディアンに「EU著作権指令は改善されたが、法的に不確定な状況に導くもので、ヨーロッパのクリエイティブかつデジタル経済を損なうだろう」と意見を述べつつ、「EU諸国が新ルールを実行するに際し、詳細について政策立案者や出版社、著作権者らとともに取り組むことを楽しみにしている」と語った。

欧州新聞出版社協会(European Newspaper Publishers’ Association)代表のCarlo Perrones氏は「2年以上におよんだ議論と検討の結果、出版やジャーナリズムの未来に不可欠であろう著作権改革という形で、公平性が勝利を収めた」と語った。

海賊党のジュリア・レダ(Julia Reda)欧州議会議員は、第11条と第13条の修正を検討することさえ拒否した述べ、インターネットの自由にとって暗い日なったとツイートした。

議会の決定は今後、加盟国が承認手続きを行い、文言が加盟国によって受け入れられた場合、官報の発行後に施行となる。その後、2年をかけて各国で実行に移されるという。