日曜日, 6月 21, 2026
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米議員の株取引を追う:急騰日に全売り、翌日に株は急落──今週のSTOCK法開示を読む

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今週は、米イランの戦闘終結に向けた合意とFRB新議長の初会合という2つの大型イベントが重なった週だった。そうしたなか、上下院あわせて6人の議員が取引を報告した。

最大の注目は、ヴァン・エップス議員(共和・テネシー)だ。

6月17日付の報告書に記載された取引日は6月16日。この日、米イランの停戦合意の枠組みが報じられ、株式市場は急騰した。S&P500は1.6%高、ナスダックは2.5%高で推移した。

その急騰の当日、同議員は保有していた13銘柄をすべて売却した。アルファベット、アマゾン、アップル、メタ、マイクロソフト、エヌビディアといったビッグテック6銘柄を含む全ポジションの現金化で、買いはゼロ。翌6月17日には、ウォーシュ新FRB議長が記者会見でインフレ警戒の姿勢を示し、S&P500は1.2%下落した。

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もちろん、翌日の値動きを予測していたかどうかは開示資料からは分からない。ただ、株価急騰の日に全ポジションを手放していたこと、そして取引翌日に開示が提出されていることは目を引く。STOCK法では45日以内の報告が義務付けられているため、今回の開示はかなり迅速な部類に入る。なお、同議員にとって今年初めての取引開示でもある。

静かに進む債券シフト

ブーズマン議員(共和・アーカンソー)は、今週の開示の中で際立っている。6月16日付の報告書で35件の取引(取引日:5月13日〜27日)を開示し、今週の全体件数の約6割を1人で占めた。

上院歳出委員会メンバーである同議員は、活発な取引で知られる。年初来の報告件数はすでに100件を超えている。

売却したのは、S&P500連動ETF(IVV)、先進国株ETF(VEA・EFA)、小型株ETF(IWM)、コモディティファンド(FTGC)、再生可能エネルギーファンド(RNWGX)など、株式・海外・コモディティにまたがるETF群。最大の取引は5月13日の中期国債ETF(IEI)の売却で、5〜10万ドル規模だった。

一方で購入は、中短期国債ETF(IEF、TLH)や政府系債券ファンド(GBIL、AGZ)に集中している。個別株ではパランティア(PLTR)とアルベマール(ALB)を買い付けているものの、全体としては、株式やコモディティなどから固定利付き資産へ資金を移しているようにも見える。

コーエン議員(民主・テネシー)は、取引日5月27日に短期国債(T-Bill、11月満期)を50〜100万ドル規模で購入した。この議員は今年に入ってから株式を一切購入しておらず、T-BillとT-Noteのみというスタイルを維持している。

キーン議員(共和・ニュージャージー)は複数の取引を開示した。5月4日に米国債を購入、5月21日に医療機器大手ベクトン・ディッキンソン(BDX)を売却、6月1日に天然ガス生産大手EQTを購入し、サイバーセキュリティ大手チェックポイント(CHKP)を売却している。エネルギー関連へのシフトがうかがえる。下院エネルギー・商業委員会に所属する議員だ。

アレン議員(共和・ジョージア)は、取引日5月8日にアクセンチュア(ACN)を売却し、アメリカン・エキスプレス(AXP)とTSMC(TSM)を購入。5月19日には米国債(4%・2030年満期)を10〜25万ドル規模で購入した。TSMCは5月にも買い増しており、2カ月連続での購入となる。

STOCK法は議員の株取引について、1,000ドルを超える取引を45日以内に開示することを義務づけている。こうした開示から確かな理由を読み取ることはできない。しかし、議員たちが何を売り、何を買っているのかを追うことで、ワシントンの空気感の一端を垣間見ることはできる。