ニューヨークブランドCoachがKate Spadeを買収へ

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katespade - coach
©mashupNY

米Coach(コーチ)が、Kate Spade(ケイト・スペード)の買収について、正式な合意に達したとする声明を発表した。買収額は24億ドル(約2712億円)で、ケイトスペードの株を一株あたり18.5ドルで買い受ける。これは、昨年、メディアが買収の観測を報じた前日にあたる12月27日の終値より、27.5%高い水準となる。

コーチのCEOビクター・ルイス氏(Victor Luis)は、「ケイト・スペードは、ユニークで差別化された地位を築いているブランドだ。幅広いライフスタイル関連のラインナップを展開しており、特にミレニアル世代のコンシューマーに、強く認知されている。この買収を通じて、本物志向で、特色のある商品とファッションに革新をもたらす、ニューヨーク初のモダン・ラグジュアリー・ライフスタイル・ブランドを作る。」と述べた。

ケイト・スペードのCEO、Craig A. Leavitt氏は、買収が「シェアホルダーへの価値を最大化するもの」だとし、「力強く、マルチチャネルを有するライフスタイルブランドへと発展し続け、ケイトスペードを長期的な成功へと導いていくもの」と合意の理由を発表。

コーチのCFOのケビン・ウィルス氏(Kevin Wills)によると、買収により3年間で約5000万ドル(約56.5億円)のコスト削減を予測。これらを、オペレーションの効率化、スケールと在庫管理の改善、ケイト・スペードのサプライチェーンの適正化によって実現するという。また「ケイトスペードブランドの長期的な健全性を保つために、卸売とオンラインにおけるフラッシュセールを行う流通への販売を縮小する計画である」とし、「これらの流通を縮小することによる収益の減少は、買収による経済効果によって相殺可能」と見通しを述べた。また、2018年度は、non-GAAPベースで収益の増加を見込み、2019年にはさらに2桁の増加を期待しているという。

ケイト・スペードは、1993年に元ファッションジャーナリストのケイト・ヴァレンタイン(Kate Valentine)によって設立された。2006年にLiz Claiborne Inc(現在のKate Spade & Company社)が買収。現在は、ウィメンズ、メンズ(Jack Spade)、子供服、ホームコレクションを展開する。カラフルで遊び心のある商品が特徴となっている。

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コーチは、1941年にニューヨークで設立されたブランド。現在はアパレルやシューズを含むラグジュアリー・ライフスタイルブランドとして、世界70カ国以上に展開。2015年にニューヨークのフットウェアブランドStuart Weitzman(スチュワート・ワイツマン)を574億ドル(約648億円)で買収。英国ブランドのBurberry(バーバリー)を買収する憶測が流されたこともある。最近は、売却先を模索している高級シューズブランドJimmy Choo(ジミーチュー)にも興味を示している、と報道されている。
コーチとケイト・スペードは、共にニューヨークを拠点とする、比較的求めやすい価格帯のラグジュアリーブランド。ケイトスペードは100〜500ドルの価格帯、コーチは300〜3000ドルの価格帯が中心となっている。