Cash Appの開発者でSquareの元幹部、サンフランシスコの路上で刺され死亡

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個人間の送金アプリ「Cash App」の開発者で、現在は仮想通貨関連企業「モバイルコイン」で最高プロダクト責任者を務めていたボブ・リーさん(43)が、サンフランシスコの路上で刺され、死亡したことがわかった。

サンフランシスコ警察の発表によると、事件があったのは4日。午後2時35分に通報を受けた警官が現場に駆けつけると、43歳の男性が刺され苦しんでいるのを発見した。生死に関わる重傷を負い、救急隊員によって地元の病院に搬送された。医療従事者の努力にも関わらず、一命を取り留めることができなかった。

容疑者の情報は明らかにしておらず、現在、殺人事件の捜査部隊が調べを進めているとしている。

発表では被害者の名前は明らかにされていないが、複数メディアによって、リーさんだったことが確認された。

リーさんの友人で元総合格闘家のジェイク・シールズ氏はツイッターで、リーさんは散歩中に襲われたことがわかったとした上で、無差別強盗の標的にされたようだと投稿している。

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リーさんは最近マイアミに引っ越していたといい、ある友人はサンフランシスコ・スタンダードの取材に、サンフランシスコには仕事で訪れ、1日余分に滞在した日に殺害されたと説明している。

同紙によると、リーさんは長らく、ベイエリアのソフトウェア開発コミュニティの一員だった。

グーグルのエンジニアとして、アンドロイドの開発に5年間携わったのち、2011年に、ジャック・ドーシー氏が創設したスクエア(現在のブロック)に加わり、最初の最高技術責任者を務めた。同社では、2013年にローンチした個人間送金アプリ「Cash App(元Square Cash)」を開発を手がけた。2021年にMobileCoinの最高プロダクト責任者に就任した。

同社の創設者ジョシュア・ゴールドバード氏は5日、ツイッターで、リーさんは「技術者以上の存在」で「アーティスト」だったと述べ、「ボブを特別な存在たらしめていたのは、彼の大きな夢を描き、大きなクレイジーな夢を世の中に呼び起こす彼の能力だった」と振り返った。

「彼のような人は二度と現れない」と死を悼む一方で、「われわれの灰色の街で何かがうまくいっていないのは確かだ」と、市の犯罪の問題に触れた。

ツイッターやテスラのCEO、イーロン・マスク氏は、「非常に残念だ。知人でひどい暴行を受けた人がたくさんいる」とツイート。「サンフランシスコの暴力犯罪は、恐ろしく、加害者が捕まったとしても、すぐに解放されることが多い」と刑事司法制度の問題に言及した。さらに、サンフランシスコ地区検察のブルック・ジェンキンス検事に宛てて、「市は、暴力犯罪を繰り返す犯人を投獄するために、強力な措置を講じているのだろうか?」と疑問を投げかけた。