託児所で1歳児が死亡、施設から違法薬物押収

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ニューヨーク市ブロンクスにあるデイケアセンターで15日、4人の児童が違法薬物を摂取し、そのうち1歳の子供が死亡する事件があった。

捜査当局はニューヨークポスト紙に対し、子供らは合成オピオイドの一種フェンタニルにさらされた可能性があると語っている。

事件が起きたのは、15日午後2時半ごろ、キングスブリッジにある「ディビノ・ニーノ・ディ・ケア」。救急隊員が駆けつけた際、1歳児と2歳児の2人は、意識不明の状態だった。2人には、オピオイド拮抗薬の「ナルカン」が投与されたという。

1歳児は、搬送先の病院で死亡が確認された。もう1人の子供は重体、残りの2人の容態は安定している。

亡くなったニコラス・ドミニシちゃん。

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ポスト紙によると、部屋のキッチンは、複数のシリアルが開けっぱなしになっており、ガスコンロ上にはレジ袋に入ったポテトチップスなどが置かれ、レンジ付近にはポップコーンが散らばるなど乱雑な様子だったという。

託児所の経営者と、部屋の貸主は16日に逮捕された。ポスト紙は、逮捕者の1人は、最近ドミニカ共和国から米国に来た人物だと伝えている。

デイリーメールによると、部屋の中からは「複数の薬物」と、フェンタニルとコカインなどを混ぜ合わせる器具や、薬物を個別包装するための機械が押収された。施設は、今年5月に認可を受けたばかりだった。今月6日に抜き打ち検査を受けた際は、違反などはなかったという。

16日に会見を行ったエリック・アダムス市長は、今回の事件は「自宅でオピオイドやフェンタニルを使用している人々への現実的な警鐘」と市民に呼びかけた。

米疾病対策センター(CDC)によると、フェンタニルの薬物過剰摂取による死者は、2016年の10万人あたり5.7人から、2021年には10万人あたり21.6人に増加している。