2020米大統領選 ブルームバーグ前NY市長 富裕層&法人に5兆ドル規模の増税案

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2020年大統領選挙で民主党の指名獲得を目指す富豪のマイケル・ブルームバーグ前ニューヨーク市長は1日、法人税や富裕層への税率の引き上げを含む税制改革案を発表した。

計画では、トランプ政権による減税政策を見直し、連邦法人税を21%から28%へと引き上げるほか、所得税の最高税率を現行の37%から39.6%に戻す。また500万ドル(5億4,000万円)以上の所得に対し、付加税を5%追加する。

さらに、IRSに適切な資源を配分し、タックスギャップの縮小に努める。ブルームバーグ陣営は、10年間で6兆ドルから8兆ドルのタックスギャップがあると推定している。

ブルームバーグ氏は「現在の税制は非常に不公平で、資本所得に対する税が労働所得に対するものより非常に低く、ほとんど納税することなく世代から世代に蓄えた富を引き継ぐことを可能にしている。金持ちが税をさらに削減するために利用する無数の抜け穴を提供している。」と問題を指摘。一連の改革によって今後10年で5兆ドルの増収を見込み、これらをヘルスケアやインフラ、教育、気候、アフォーダブルハウジングといった優先事項の高い問題に充てると発表した。

トランプ政権の税制改革について、減税から1年後の家庭所得の中央値はほとんど成長していないと指摘。法人減税が労働者家庭の給与を大きく引き上げるとするトランプ氏の公約は守られていないと批判した。またトランプ政権は経済成長率を6%近くと予測したが、税制改正後の成長率は3%以下にとどまっていると述べた。

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計画ではこのほか、金融工学を駆使して企業が海外のタックスヘイブンに利益をシフトすることを防ぐ、実行力のある手段が必要だと主張。国際的な協力を率いて利益移転を阻止する取り組みを実施すると発表した。

現在、対抗馬のジョー・バイデン前副大統領も法人税の28%への引き上げを主張している。一方、左派候補のエリザベス・ウォーレン上院議員とバーニー・サンダース上院議員は、富裕層への資産に課税する富裕税を公約に掲げている。