米国は民主主義失う可能性も、ビル・クリントン

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ビル・クリントン元米大統領(75)がテレビ番組のインタビューで、米国は「民主主義を完全に失う」可能性が十分にあると、その行く末を憂いた。

クリントン氏は15日、CBSの深夜番組「ザ・レイト・レイトショー」に出演。番組では司会のジェームズ・コーデン氏が、名前こそ出さなかったもののトランプ前政権を指すとみられる表現で「過去数年、非常に暗い時期が続いたが、なぜ前向きでいられるのか」とクリントン氏に質問した。

これに対しクリントン氏は、孫たちが育っていく様子を見ていると「未来を悲観的に捉えることはできない」としながらも、「極端な楽観主義になってもいけない」と戒めた。さらに「我々が悪い判断をし続ければ、私は向こう数十年憲法上の民主主義を完全に失う可能性が十分にあり得ると思っている」と、考えを述べた。

自身は多くの争いごとをくぐり抜け、勝利する喜びも敗北の苦しみも身をもって知っており、机上の空論ではないことを強調しつつ、「今ほど政府の民主主義のあり方を心配したことは過去にない」と危機感を示した。

ヤフーニュースとYouGovの最新の世論調査では、米国が 「将来的に民主主義国ではなくなる」と考える人が全体の約半数に上ったとする結果が示された。民主党では55%、共和党では53%と、超党派で米国がいずれ民主主義を失うことが「ありそうだ」と答えた。

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一方でクリントン氏は、自分の懸念が実現しないことに期待を持っている、と希望も語った。「今のところ、過去の功績を破壊しようとする局面と向き合うたび、我々は意識的にそれを回避してきた」と、これまで米国が危機に直面しつつも民主主義を維持してきたことを強調。その上で「また同様のことが起きると思っている。いつ、どのようにかは分からないが」と語った。

米国は「信念を貫かなければならない」とし、視聴者に向けて「憎しみに憎しみを重ねた頃に戻ってはいけない」「油断するな」とアドバイスした。