バーニー・サンダース氏のカストロ擁護発言に批判集中

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ネバダ州の民主党党員集会で大勝し、勢いを増すバーニー・サンダース上院議員。選挙翌日に放送されたキューバの故フィデル・カストロ前国家評議会議長に関するコメントを巡り、批判の声が広がっている。

サンダース氏は23日放送のCBS番組「60 minutes」で、カストロ政権について「独裁主義的性格について非常に反対している」と述べつつ、「単純にすべてが悪いというのは不公平だ」と語った。

サンダース氏は続けて「フィデル・カストロが政権に就いたとき、彼が何をしたか知っているか?彼は大規模な識字プログラムを行なった。これが悪いことか?フィデル・カストロが行ったとしても?」と発言。インタビュアーのアンダーソン・クーパー氏が多くの反体制派が投獄されたと指摘すると「その通り、私たちはそれは非難している。」と回答。さらに「ドナルドトランプと違って、私は金正恩を良い友人と思っていない。人殺しの独裁者とラブレターを交わしたりしない。ウラジミール・プーチンは良い友人ではない」と、独裁政権に対するトランプ氏との姿勢の違いを強調した。

放送後、ライバル候補やフロリダ州選出の議員らから批判が集中した。

マイケル・ブルームバーグ前ニューヨーク市長は「フィデル・カストロは、強制労働キャンプ、宗教弾圧、貧困の蔓延、銃殺隊、数千人の国民を殺害した暗い遺産を残した。バーニー、識字プログラムについて話し合おう」とツイート。討論会で追及する姿勢を示した。

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代議員獲得数で2位につけるピート・ブティジェッジ前インディアナ州サウスベンド市長はツイッターで「トランプ氏が独裁者に取り入るのを4年間見続けた後、我々は、海外の人権を侵害する政権に対し、はっきりと立ち向かう大統領を必要としている」と述べた。

ジョー・バイデン前副大統領陣営アドバイザーのクリストバル・アレックス氏は声明を発表。「カストロの独裁制の要素に対する賞賛、または少なくともキューバの人権侵害の過去を振り返る積極さは危険なだけでなく、政治的迫害から逃れ、米国に亡命を求めたフロリダ、ニュージャージー、全国の多くの人々にとって非常に攻撃的だ」と非難した。

キューバの亡命者の多くが暮らすフロリダ州の民主党議員も批判の声を上げた。

デビー・マカーセル-パウエル下院議員は「バーニー・サンダース上院議員のカストロに関するコメントは、キューバ系アメリカ人を代表する南米移民初の議会メンバーとして全く容認できない。」とツイート。

ドナ・シャレイラ下院議員はツイッターで「フィデル・カストロのような専制君主を賞賛しようと決める前に、サンダース上院議員が私の有権者達と話す機会を持つことを希望している」と述べた。