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フェイク令嬢アンナ・ソローキン ドイツに強制送還か

先月配信がスタートした、ネットフリックスのオリジナルドラマ「令嬢アンナの真実」(Inventing Anna)の実在のモデル、アンナ・ソローキン(31)が、約一年間におよぶ拘束の末、ドイツのフランクフルトに強制送還された可能性があることがわかった。

ソローキンの弁護士はNBCニュースの取材に、法律上は今月19日まで送還できないはずとしつつ、月曜日の午後の段階で本人と連絡がとれなくなったと説明。「本国送還された仮定の下で動いている」と語った。

2013年にニューヨークに移り住んだソローキンは、自分をドイツの資産家の娘で、6,000万ドル相当の信託の相続人「アンナ・デルヴィー」と偽り、友人やニューヨークのブティックホテル、金融機関から大金をドルをだまし取ったとして2017年に逮捕。2019年4月に重窃盗罪など、複数の罪で有罪評決を受けた。昨年2月、模範的な受刑態度が認められて仮釈放されたが、米国での滞在資格が失効しているにも関わらず在留しているとして、4月に移民取締当局に身柄を拘束された。その後、オレンジ郡の勾留施設に収容されていると報じられていた。

ニューヨークポスト紙は、ソローキンは強制送還措置を不服として控訴し、4月19日に聴取が行われることになっていたと伝えている。今月16日には、人気ポッドキャストチャンネル「Call Her Daddy」にも出演予定だったという。

今年1月、施設内で新型コロナウイルスに感染した。ワクチンの追加接種を要求していたが、施設側がこれを放置したのは人権侵害だとして、施設内で感染した他の3人と共に、人権侵害で当局を提訴していた。

弁護士は、送還の執行日が想定したよりも早かったことについて、ソローキンのケースは煩雑で、膨大な資料の提出を必要としたと述べつつ、事務処理上の誤りがあった可能性を指摘している。

ソローキンの素顔とは?

アンナ・デルヴェイを名乗り、ニューヨークの社交界で人脈を築いたソローキンだが、実際はロシア、モスクワの南東にある町、ドモジェドヴォで労働階級の両親のもとに生まれた。父親はトラック運転手で、母親は小さなコンビニを経営していたという。一家は2007年、ソローキンが16歳の頃にドイツに移住した。

先月、ニューヨークポストの取材を受けたソローキンの親友、ネファタリ・デイヴィスさんは、人物像を「良い人だけれど、闇も抱えていて、一筋縄では行かない面もあった」と話している。

出所後間もない昨年3月、マンハッタンに戻ったソローキンはSNSに「この無法地帯の街は私のものよ。もう知ってるでしょ」とコメントし、浅いバスタブでシャンパンを嗜む自分の写真を投稿するなどしていた。

デイヴィスさんは、滞在資格をめぐる拘束の背景について「アンナのインスタグラムの投稿は皮肉にあふれていた(中略)それを見られていたんだと思う」と指摘。強制送還に対して「引き下がるのではなくアンナはーあくまでアンナらしく”私は戦う”と言っていた」と振り返り、「平凡な女性でメディアの注目も浴びていなかったら、すぐにでも送還されていたと思う」と語った。

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