米移民当局「ソーホーの女詐欺師」アンナ・ソローキンを拘束

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今年2月に釈放された「ソーホーの女詐欺師」ことアンナ・ソローキン(Anna Srokin)氏が移民当局に身柄を拘束されたことがわかった。

ニューヨークポスト紙によると、ドイツ国籍のソローキン氏は25日、ロウアーマンハッタンにある移民局オフィスに報告をした際に拘束され、現在はニュージャージー州バーゲン郡にある移民税関執行局(ICE)の拘留施設にいる。

当初26日に強制送還される予定だったが、なんらかの理由で遅れている。AP通信は、ソローキン氏が送還に意義を申し立てている可能性があると伝えている。

移民弁護士のスティーブン・パルグリース氏はポスト紙に「オーバーステイしており、さらに有罪となっていた。救済措置の申請をしなければ直ちに追放される」と話した。申請した場合、裁定が下るまで拘束下に置かれることになるという。

強制送還に対してソローキンの弁護士、オードリー・トーマス氏が対応にあたっているとみられている。

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ソローキン(30)は、自分をドイツの資産家の娘で、6,000万ドル相当の信託の相続人「アンナ・デルヴィー」と偽り、友人やニューヨークのブティックホテル、金融機関から大金をドルをだまし取ったとして2017年に逮捕。2019年4月に重窃盗罪など、複数の罪で有罪評決を受けた。4年~最大12年の実刑を言い渡されたが、模範的な受刑態度が認められ、今年2月11日に仮釈放が認められた。

事件は、ヴァニティフェアとニューヨークマガジンが2018年、身元を偽ってニューヨークの社交場に出入りし贅沢三昧の暮らしを送るソローキン氏の様子を描いた記事を掲載し、注目を集めた。ネットフリックスはニューヨークマガジンの記事をもとにしたドラマの制作を進めており、権利料として32万ドルをソローキン氏に支払ったと伝えられている。

刑期中も続けていたインスタグラムの投稿は3月23日を最後に停止している。ツイッターも24日が最後で、ホームページは期限切れとなっている。

出所後は、マンハッタンで買い物をする姿が度々目撃されており、複数のメディアの取材にも答えていた。

インサイダーには、犯罪の性質に関係なく、一律に刑務所に送り込んで「勝手に更正することを期待する」制度は無意味と批判。「刑事司法制度に対する自分の考えと自分の収監中の経験」を中心にした自伝やSNSのプロジェクト「アンナ・デルヴィーTV」をスタートするなどと話していた。

ABCの番組「グッド・モーニング・アメリカ」のインタビューでは、悪名高いライカーズ刑務所の生活をセラピーのようだったと笑顔で答え、インタビュアーを驚かせた。