MoMA従業員を刺した男、フィラデルフィアで拘束

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ニューヨーク近代美術館(MoMA)で2人の従業員を刺したゲーリー・カバナ(Gary Cabana)容疑者(60)が15日未明、ペンシルベニア州フィラデルフィアで逮捕された。

地元テレビ局Fox29の記者によると、センターシティにある長距離バスの駅で、午前1時半ごろ拘束された。SNSに投稿した映像には、手錠をかけられたカバナ容疑者が「彼らは米国一の警官だ。街を安全にした。私は公共の敵ナンバー1だ」などと叫びつつ、パトカーに乗り込む姿が撮影されている。記者の質問に対し、自身のInstagramに投稿した内容を読めと回答した。

カバナ容疑者はSNSで、美術館で映画の鑑賞中に笑ったところ、女性従業員に静かにするよう注意されたことが、(犯行の)「きっかけになった」と語っている。

会員資格剥奪で激昂?

カバナ容疑者は12日、会員資格が剥奪されているとして、入り口で入館を拒否された後、犯行に及んだ。

ニューヨーク市警察が公開した監視カメラには、受付カウンターを飛び越えて内側に入った後、刃物を振り回し、従業員らを襲う姿が映っている。

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24歳の女性は、背中と首を刺された。24歳の男性は左肩を刺され、負傷した。共に命に別条はないという。

NYPD情報テロ対策部門のジョン・ミラー警察本部長補佐は、カバナ容疑者は同美術館の常連客だったが、最近、2件立て続けにトラブルを起こしたため、資格が剥奪されたと説明している。

ニューヨークポスト紙によると、カバナ容疑者は、最近までブロードウェイのネダーランダー劇場に勤めていた。昨年12月から今年の1月の間に、映写技士や劇場案内係の関係者が加盟する劇場従業員国際同盟事務所の女性に、「仕返しするぞ」などと脅迫めいた電子メールを送り、解雇されていた。劇場の前で、元支配人の顔面を殴った疑いももたれている。

ニューヨークタイムズは、精神障害とAIDSを患っていたと伝えている。犯行当時、支援サービスが提供されるミッドタウンのシェルターに入居していたという。