民主党エイミー・クロブシャー上院議員 2020年大統領選へ出馬を表明

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ミネソタ州選出のエイミー・クロブシャー(Amy Klobuchar)上院議員(民主党)は10日、ミネアポリスで演説を行い2020年大統領選への出馬を表明した。

雪が激しく降る中、演壇に登場したクロブシャー議員は「壮大なミシシッピの中間にある島、アメリカの中部より、民主主義の心を癒し、公共の利益のために決意を新たにしなければならないこの時において、私は、鉄鉱石の採掘者の孫娘として、教師と新聞屋の娘として、ミネソタ州初の女性上院議員として皆さんの前に立ち、合衆国大統領への立候補を発表します。」と出馬を宣言した。

演説では、大統領選の争点に据えると考えられるいくつかの課題について触れた。

クロブシャー議員は「投票を困難にし、金銭によって我々の声をかき消そうとするたくらみ」があると述べ、「シチズンズ・ユナイテッド対FEC裁判の判決を覆し、ダークマネーを政治から追放しよう」と呼びかけた。続けて投票権法の改正、18歳で自動的に有権者として登録される法案の必要性を語った。

気候変動に関して、大統領就任の最初の100日間で、クリーンな発電所や自動車の燃費規制を復活させ、グリーンジョブやインフラに投資する包括的な法案を後押しすると述べた。さらに就任初日には、パリ協定へ再び参加すると語った。

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テクノロジーの進化に伴うプライバシー問題については「あまりにも長い間、テクノロジー大企業が”心配しないで、私たちが守るから”といっておきながら、個人情報が盗まれ、データが利用されてきた。我々の法律は、それを破る人々と同様に洗練されていなければならない」とFacebookやGoogleなどの大企業を規制する法律の必要性を説いた。

その他、ユニバーサルヘルスケア、銃のユニバーサルバックグラウンドチェックを法制化すると宣言。外交については、同盟国とは強く継続的な関係が必要だと語った。

2020年大統領選に出馬を表明した現職の連邦議員として、クロブシャー氏は5人目となる。現在、コーリー・ブッカー上院議員(民主党)、カマラ・ハリス上院議員(民主党)、エリザベス・ウォーレン上院議員(民主党)、カーステン・ギリブランド上院議員(民主党)、トゥルシ・ガバード下院議員のほか、元住宅都市開発長官のジュリアン・カストロ氏が出馬を表明している。

クロブシャー議員の出馬表明の前、少なくとも3名のスタッフが同議員の大統領選キャンペーンから辞退したことを、ハフポストが報じていた。同サイトは、クロブシャー議員は、賢くて面白い、人柄の良い議員として親しまれる一方で、部下への要求が高く、常習的にスタッフを蔑めるなど、長く下で働くことが難しい議員だとするスタッフの話を紹介した。

またLegiStormによると、2001年から2016年の間で、クロブシャー議員事務所は、上院議員の中でもっとも離職率が高い事務所となっているという。

この点についてクロブシャー議員は「私はタフになり、圧力をかけることもある。わかっています。」と認めつつ「私はスタッフに高い期待をかけている。この国に高い期待を抱いている。」と、演説後に記者らに語った。

クロブシャー議員の出馬はトランプ大統領の注意も引いた。大統領はツイッターで、「吹雪の中で、自信たっぷりに地球温暖化との戦いについて語っている」と述べるなど、これまでどおりの論法で揶揄し、「演説の最後には、雪だるまになってしまうぞ」などと冗談混じりのツイートを配信した。

エイミー・クロブシャー議員とは

クロブシャー氏は、ミネアポリス郊外で、学校の教師と地元新聞のコラムニストの娘として育った。イエール大学とシカゴ大学法科大学院を卒業後、ミネソタに戻り、企業の弁護士として働いた。ニューヨークタイムズによると、政治活動に飛び込むきっかけとなったのは、入院が必要な状態で生まれた娘の出産だったという。1998年にはヘネピン郡検事に選出され、2006年に連邦上院議員選挙に当選し、同州初の女性上院議員となった。

上院司法委員会のメンバーで、昨年のブレットカバノー最高裁判事の指名承認公聴会では、質問に対して質問を返すカバノー氏の不適切な態度にも関わらず、冷静に質疑を進める姿勢が注目を集めた。11月の中間選挙では60%の票を獲得し、3期目の当選を果たした。