ニューヨーク市長がアマゾン批判 – NYT紙に論説投稿

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ニューヨークのビル・デブラシオ市長は16日のニューヨークタイムズ紙に論説を寄稿し、ニューヨーク市での第2本社建設計画の撤回を決定したアマゾン社を「勝手な決定」とするなど、批判的な意見を述べた。

市長は、アマゾン社が撤回の理由に挙げた地元議員ら少数グループの反対について「企業の意図や誠実性を疑問視されるのが嫌であるならば、それが間違いであることを証明すれば良い」とし、「アマゾンは彼ら(反対グループ)が正しいことを証明してしまった」、アマゾンは「批判的な人々と関わらなければならない都市にいたくはなかったのだ」と述べ、コミュニティとの話し合いに積極的でなかったアマゾン社の対応を非難した。

さらに、シアトル市議会で、低所得者の住宅とホームレス支援のための大企業への新税導入が通過した際に、アマゾン社が大規模な拡張計画を中止するなどとして反対したことに触れ、「これはパターン」だと述べた。(新税は後日撤回された。)

一方で「所得と富の格差の拡大による問題を見つめてきた進歩派」と自身の政治姿勢について言及。今回の反対は「コーポレートアメリカ(アメリカの巨大企業)に対して高まっている不満だ」と述べ、「企業は経済的不平等に対して高まる怒りをもはや無視することができない」「抗議に直面したアマゾンの、ボールを引き上げて持って帰ってしまうといった勝手な決定は、この怒りを鎮めるものではない」と語った。

市長の任期終了後に大統領選出馬も噂される市長は、「経済力はますます少数の人々に集中するようになっている」と述べるなど、大企業による富の独占や、権力の集中による問題を強調。第2本社計画の撤回の決定と日を同じくして、アマゾン社が昨年の数十億ドルの収入に対して連邦所得税を支払わないことが報じられたのは偶然ではない、と語った。

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後半では「大企業が我々を全面的な競争に駆り立て、我々は住民の機会を保障しようと、互いに戦っている。」「企業が都市を競わせることを防止する国家的解決で持って、経済戦争を終わらせなければならない」と、巨大企業に権力が集中することによる問題について述べ、「我々は巨大企業への権力の集中が何をもたらすのか、我々はその一つの例を見たのだ。次の企業が分断を試み、征服しようとする前にルールを変更しようではないか」と締めくくった。