トランプ大統領の健康診断に関する説明には「食い違い」がある。
元ホワイトハウスの医師が疑問を呈している。
トランプは先月10日にウォルター・リード米軍医療センターを訪問し、今年2度目の健康診断を受けた。 公開された報告書によると、大統領は「高度な画像診断、臨床検査、予防的健康評価」およびインフルエンザとCOVID-19の予防接種を受けた。主治医のショーン・バルバベラ医師は「トランプ大統領は非常に優れた健康状態を維持している」と結論し、「心臓年齢は実年齢より14歳若いことが判明した。大統領は支障なく多忙なスケジュールを引き続きこなせる」と太鼓判を押した。
その後、トランプは自らMRI検査を受けたことを明かしていた。
説明に異議を唱えたのは、オバマ政権時代にホワイトハウス医師を務めたジェフリー・クールマン氏。 The Hillの取材で、79歳という年齢を考えれば再検査が必要になること自体は不思議ではないとしながらも、滞在時間の長さが説明と一致しないと指摘した。
同氏によると、ほとんどの検査はホワイトハウス内の設備で実施でき、ウォルター・リードを訪れる必要があるのは高度な画像診断くらいだという。ホワイトハウスから病院まではヘリで約8分。MRI以外の通常検査や予防的スクリーニングであれば、15分もかからないと説明した。
しかし、トランプ氏が病院に滞在したのは4時間以上に及んでいた。
「そこに食い違いがある」とクールマン氏は述べ、報告されていない検査や処置が行われた可能性を示唆した。
トランプの健康状態をめぐる疑念はくすぶり続けており、ホワイトハウスの曖昧な説明がそれを助長している。
4日の記者会見でMRI検査の理由を問われた報道官カロライン・リービットは「トランプ大統領がおっしゃったように、医師に問い合わせる予定。私も確認する」と回答した。MRIは通常の健康診断では行われない検査であり、記者からは隠された問題の調査ではないかと追及されたが、「確認する」の一点張りで、「トランプ大統領は毎日最適な体調にある」というアピールに終始した。
この返答を受け、SNSでは「MRIを受けた理由がわからないのに、どうして健康が“最適”と言えるのか」「核のコードを握る人物の健康状態が不透明なのは問題だ」といった批判が噴出。「報道官は結局、確認などしないだろう」との冷ややかな見方も広がっている。
