「憲法修正第25条、出番です」心理学者がトランプの限界を指摘

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Joey Sussman / Shutterstock.com

連日長時間の記者会見を続けるトランプ大統領だが、その健康状態はもはや憲法修正第25条に基づく職務執行能力の審査を要する段階にある——。
トランプ氏の精神面に長年警鐘を鳴らしてきた心理学者ジョン・ガートナー博士が、22日に配信されたデイリービーストのポッドキャストでそう訴えた。

1967年に制定された憲法修正第25条は、大統領が死亡、辞任、免職、あるいは職務を遂行できない場合の権限移譲手続きを定めている。

ガートナー博士によれば、トランプ氏にはヒトラーと同様の「悪性ナルシシズム」と呼ばれる人格障害の特徴が見られるという。この概念は心理学者エーリヒ・フロムが1940年代に提唱したもので、ナルシシズム、パラノイア、反社会性、サディズムなどの要素で構成される。

博士はまた、移民取締まりにおいて覆面警官が暴力的に拘束し連れ去る手法を「ヒトラーの政策を踏襲したもの」と指摘。中でもエルサルバドルへの送還は「死の収容所の機能を外部に委託しているようなものだ」と警告した。

さらに、トランプ氏には加齢による認知機能の低下も見られると分析する。演説中に脈絡のない話題へ飛び、言葉が支離滅裂になる場面や、語尾に意味のない音を付け加える発話が頻繁に確認されるという。これは「音韻性錯語」と呼ばれる症状で、認知症の典型的な兆候とされる。

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悪性ナルシシズムは時間とともに進行し、認知症を伴うと衝動的で攻撃的な行動を示すようになる。博士は「現在のトランプ氏は、人間が抱えうる最悪の人格障害が、認知的衰退によってさらに制御不能な形で表出している」と述べた。最近、大統領が投稿したAI生成動画——王冠をかぶった自身が戦闘機から抗議者に排泄物を落とす映像——も、抑制力の低下を象徴していると分析する。

さらに、今年9月のレイバーデー前後に小規模な脳卒中を発症した可能性が高いと博士はみている。9・11追悼式典で見られた顔の右側の歪みは「非常に明確で臨床的にも決定的なサイン」だといい、大統領が服用するアスピリンも、心臓病予防ではなく脳卒中治療目的の可能性があるという。7月にウォルター・リード軍病院で実施されたMRIやCT検査も、脳に異常が疑われた結果だと指摘した。

ガートナー博士は、こうした兆候の積み重ねから「トランプ氏はすでに複数回の軽い脳卒中を経験しており、実質的に“ミセス・ウィルソン体制”に移行している」と述べた。これは、1919年に脳梗塞で倒れたウッドロー・ウィルソン大統領に代わり、妻イーディスが政務を取り仕切った歴史的事例を指す。
博士の推測では、現代版ウィルソン夫人の役割を担っているのは、側近のスティーブン・ミラーだという。

ミラーもまた「悪性ナルシシズム」の特徴を備えた人物であり、「現代のアーリア政策」を推進する中心的存在だと博士は警鐘を鳴らした。

インタビュワーから「もしあなたがJ・D・ヴァンスや閣僚の一人なら、どう対応すべきか」と問われた博士は、迷いなく答えた。
——「憲法修正第25条です」。