トランプ夫婦にノーベル平和賞:MAGA議員の推し活がエスカレート

11
Joey Sussman / Shutterstock.com

共和党内でトランプ大統領をノーベル平和賞に推す声がますますヒートアップしている。

29日にFOXニュースの番組に出演したフロリダ選出のアンナ・パウリナ・ルナ下院議員(共和党)は、「ノーベル平和賞委員会が自分たちにとって何が一番良いか分かっていれば、当然トランプを推薦するだろう」と強気に発言。さらに「メラニア夫人も候補になり得る。彼女はロシアとの協議にかなり貢献し、ウクライナ和平の仲介役になると考えている」と夫婦同時受賞の可能性を示唆すると、司会者も「カップルでの初めてのジョイント受賞ですか。却下よりはずっといい」と応じた。

ルナ議員は2022年の中間選挙でトランプの後押しを受けて初当選。今春にはサウスダコタ州のラシュモア山にトランプの彫刻を設置する法案を提出するなど、MAGA派議員として大統領のスイートスポットを心得ている。

一方、メラニア夫人は8月の米露首脳会談でプーチン大統領に「平和の書簡」を手渡し、無垢な子どもたちの未来を奪わないよう強く訴えている。

そんなルナ議員の熱烈な推しに対し、ネットでは冷ややかな反応が相次いだ。
「現実歪曲フィールドの最高峰」
「常軌を逸した幻覚状態か?」
「妄想的な精神異常、レベルが上がりすぎ」
など辛辣な批判が飛び交うほか、
「ノーベル平和賞委員会を脅してまで平和賞をむしり取るなんて、とんでもない」
「脅迫は受賞とは別物だ」
と強い反発の声も目立っている。

Advertisement

さらには「バロン・トランプは背が高いからノーベル賞ものじゃないか?」など、平和賞の枠を超えた謎の議論にも飛び火する始末。

ところで、トランプ大統領が「24時間で終わらせる」と豪語していたウクライナ紛争は、今月の米露首脳会談を経てもロシアの猛攻が止まず、28日には600機のドローンとミサイルでキーウを一斉攻撃。18人の死亡、48人以上の負傷者という惨状が報告された。

EU首脳らはこぞって、この攻撃がロシアの和平意思の欠如を示すものだと厳しく非難。
フィンランドのアレクサンデル・ストゥブ大統領はSNSに「ロシアは戦争を終わらせる気はない」と投稿。
フランスのマクロン大統領は「これがロシアの平和の姿だ。テロと蛮行だ」と激しく糾弾。
英国のスターマー首相も「プーチンは子どもや民間人を殺し、和平への希望を破壊している」と痛烈に批判した。

戦火の現実と、「ノーベル賞カップル」という共和党の幻想。
このギャップは、次の選挙戦に向け、ますます際立っていきそうだ。