「どうしてこの人が候補になれたの?それどころか大統領に?」
「世界で一番愚かな大統領」
「最初は笑っていられたが、今はただただ悲しい」
──SNSでこんな声が飛び交っているのは、トランプ大統領が披露した“関税計算式”をめぐってだ。
今週、トランプ氏は20カ国以上に書簡を送り、8月1日から新たに関税を課すと一方的に通告。日本と韓国には25%、カナダに35%、そしてブラジルにはなんと50%という強烈な関税が設定された。米国と迅速に貿易協定を結ばなければ、3週間後に発動される。
問題はその“算出根拠”だ。
10日の記者会見でトランプ氏は、こう説明した:
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「その計算式は、常識に基づき、貿易赤字に基づき、長年にわたって我々がどのように扱われてきたかに基づき、そして生の数字に基づいたものだ。例えば、ブラジルは我々に良くしてこなかった。全く良くなかった・・・・」。
この複雑怪奇な計算式に、ネット上では「現代のアインシュタインだ」という皮肉交じりのあだ名まで飛び出している。
実際ブラジルに関しては、米国が貿易黒字を出している。が、トランプ氏は通知文で盟友ボルソナロ前大統領がクーデター未遂で起訴された件に言及。「魔女狩りだ」「国際的な恥だ」と憤慨し、その怒りが50%の関税に変換された。
ちなみにこの関税、4月に初めて発表された際には「大統領経済諮問委員会が確立した手法に基づく」と説明されていた。だが実際は、各国との貿易赤字をその国からの輸入額で割っただけという、およそ専門的とは言えない計算式だった。経済専門家たちは「意味不明」「近隣窮乏化政策にすぎない」と頭を抱えている。
アメリカファーストというより、感情ファーストな関税外交。大統領が真顔で説明すればするほど、米国は「お笑い大国」としてのブランドを固めつつある。