トランプ大統領とメラニア夫人の結婚生活は「崩壊」しつつあるという。これまでに4冊のトランプ氏に関する本を執筆している作家のマイケル・ウォルフ氏がデイリービーストのポッドキャスト番組で語った。
同氏によると、二人の関係は「一般的な結婚生活の定義」にまったく収まらない。口をきくこともなく、一緒に過ごす時間もない。「別々の人生を送っていると言える。別居しているのだ」。
メラニア夫人は現在、ホワイトハウスに常住していないとみられている。ニューヨークタイムズによると、政権発足から108日が経過した時点で、夫人がホワイトハウスで過ごした時間は2週間にも満たない。そうかといってフロリダの自宅、マール・ア・ラーゴの敷地内にいる姿が見かけられることも少ない。つまり、どこで何をしているのかよく知られていない。今週のトランプ氏の中東3カ国訪問は、2期目の最初の主要な外遊として注目されたが、それにも同行しなかった。
関係者はタイムズに、夫が有罪判決を受けたポルノ女優への口止め料問題、昨年の選挙集会中に起きたトランプ氏の殺人未遂事件をきっかけとする安全上の懸念が、夫婦仲に影響している可能性を語っている。
当初はホワイトハウスに暮らす意向を示していた。就任式を前に収録された「FOX & フレンズ」のインタビューでは、「私はホワイトハウスにいるつもりです。でもご存知のとおり、ニューヨークにいる必要があるときはニューヨークにおり、パームビーチにいなければならないときは、パームビーチにいます。私が優先するべきは母親であり、ファーストレディであり、妻であることですが、1月20日になれば、国家に奉仕することになります」と説明。最初の100日間の主な仕事として、一期目にスタートした若者のサイバーいじめの問題への取り組み「Be Best」の拡大を挙げた。
「別居」が本当だとしても、特段驚くべきことではないのかもしれない。
2020年にメラニア夫人のバイオグラフィー「The Art of Her Deal」を記したワシントンポスト紙のエディター、メアリー・ジョーダン氏は当時、トランプ夫婦は別々に過ごしていると明かしている。
ホワイトハウスのスタッフやハウスキーパーなど大統領夫妻に近い人々に取材を重ねた同氏は、インタビューで、「こんなに長時間を別々に過ごす夫婦は他に知りません。同じ建物にいることが多いが、決して近くにいるわけではない」と説明。夫の執務室のあるウェストウィングに行くことは「滅多にない」と述べ、「彼女は一人でいるのが好きなのです。彼女も彼も孤独です。二人は離れていてもまったく問題ない」と続けた。
ホワイトハウスで夫婦は別々の寝室を使っており、専門家によるとそうした習慣が持ち込まれたのは1970年代のニクソン夫妻以来だという。
メアリー氏はまた、ホワイトハウスへの引っ越しが遅れた件について、「婚前契約の再交渉」が原因だったと述べた。トランプ政権一期目では、メラニア夫人と息子バロンくんがホワイトハウスに移住したのは政権発足から半年後の6月中旬だった。当時まだ11歳だった息子の通学を考慮した結果とも報じられていたが、夫人が自立した生活を望んでいるからだという憶測もあった。
別居説が不仲によるものか、自立を象徴するものか不明だが、デイリービーストによると、ホワイトハウスの広報担当スティーブン・チャン氏は同社に宛てた声明で、「マイケル・ウォルフは嘘つきのろくでなし、詐欺師であるのは証明済み」と攻撃をお見舞い。「彼は歪んだ想像からいつも話をでっち上げているが、それは、彼のピーナッツ大の脳みそを腐らせる重度のトランプ狂乱症候群を患い、衰弱しているからにほかならない」と過激な言葉で反論している。