航空会社も想定外?機内で「猫に授乳」する女性が物議

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米国内線の機内で、乗客が猫に授乳したとする情報がSNSで拡散し、物議を醸している。

ニューズウイークによると、この乗客が乗っていたのはニューヨーク州シラキュース発ジョージア州アトランタ行きのデルタ航空機1360便。SNS上に出回ったスクリーンショットには、空地間のメッセージの送受信に使用されるACARSというシステムを通じて送られたテキストが映っている。フライトの日時は明らかにされていない。

メッセージには、座席番号13Aの乗客が「猫に授乳していて、(乗務員の要請にも関わらず)猫をバッグにしまうのを拒否している」と書かれている。続けて、着陸後にデルタ航空の「レッドコート」に状況を伝えるよう指示されている。デルタ航空によると、レッドコートは同社の「優秀なカスタマーサービス専門チーム」で、「留め置かれた乗客の問題対応に特化して訓練されている」という。

ニューズウィークは、SNSに流出した内容が本物かどうか確認できておらず、先月26日時点でこれ以上の情報も出ていないとしている。

ただ、デルタ航空のフライトアテンダント、アインズリー・エリザベスさんのTikTok動画に、この出来事と一致する内容が投稿されている。投稿日は先月2日で、動画ではエリザベスさんが「女性客が猫に授乳していたことで、機内で対応した」と語っている。

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 先月13日の投稿でもエリザベスさんはこの件に触れ、「女性は、毛がほとんどなく赤ちゃんのような子猫をブランケットに包んで抱えていた」「シャツを上げて、猫をしっかり抱き寄せており、荷物に入れるのを拒否した。猫は怖がって叫んでいた」と述べた。さらに「人前でこんなことをするなら、家ではどんなことしてるのかしら」「警備チームが女性に二度と同じことをしないように諭した。おかしいし、気味が悪いから」とエリザベスさんは続けた。

規則違反か不明

フライト中の機内で女性が赤ちゃんに授乳することは、法律で禁じられておらず、デルタ航空の規定でも認められている。ただ、猫のように人間以外の生き物に授乳することは、想定外なのかもしれない。

デルタ航空の規定には、「デルタ航空便および乗継便の機内、その他デルタ航空の施設内で、女性が授乳する権利を全面的に支持します。機内および空港での授乳は可能で、多くの空港では授乳用の個室やスペースを設けています。案内が必要な際は、デルタ航空係員にお申しつけ下さい」とある。

同規定では、猫を含むペットの機内同伴を許可しているが、「(搭乗時および降機時の)搭乗エリアや、空港のラウンジ、フライト中の機内では、(閉じた状態の)ケースに入れておくこと」を求めている。

各国の航空会社では近年、精神的支えとなる「エモーショナル・サポート・アニマル」の同伴規制を厳格化。過去に、クジャクやイタチ、馬、アヒル、蛇などの同伴を求める乗客が相次いだことを受けた措置だという。

米運輸省は動物の同伴に関する規制を改め、盲導犬など、公認のサービスアニマル以外は機内への同伴を認めないとしたが、デルタ航空も現在はこれに倣い、サービスアニマルに該当しないエモーショナル・サポート・アニマルの同伴を認めていない。