米ネット広告収入 1,000億ドル(11兆円)の大台突破

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2018年の米国のネット広告全体の収入が、初めて1,000億ドル(11兆円)を突破した。

インタラクティブ広告の業界団体、Interactive Advertising Bureau(IAB)の委託のもと、プライスウォーターが実施した調査によると、2018年のデジタル広告の収入は、2017年の883億ドルから22%上昇し、1,075億ドルとなった。

一方、報告によると、2017年から2018年にかけて、テレビとラジオ広告はそれぞれ.1.4%増、1%増となった。新聞の広告は6.9%減少。雑誌は2.1%減少した。

中でも、デジタル広告に占めるモバイルの割合は57%から65%へと成長。収入は699億ドルで、2017年から40%増加した。

フォーマット別では、デジタルビデオが成長に貢献。2017年の119億ドルから2018年に163億ドルとなり、37%増加した。

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少数企業が市場を支配

報告によると、2018年第4四半期のデジタル広告収入のうち、上位10社が占める割合は前年同期比より3%増加し、75%となった。

CNBCによると、2019年末までに、グーグルが米国シェアの37.2%を、フェイスブックが22.1%を占めると予測されている。また2021年までに、グーグル、フェイスブック、アマゾンの3社合計のシェアが70%に達するという予測もあり、巨大IT企業による市場支配力がさらに強まると見られている。

SNS広告の成長率が減少

SNSの広告は、2017年から30.6%増加し、289億ドルとなった。依然高い伸びを示すものの、46.6%の年平均成長率(2012から2018年)を大きく下回った。

規制は大企業に有利に

報告では、EU一般データ保護規則(GDPR)や2020年の施行を予定するカリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA)について、初期段階であるとしつつ、大企業に有利に働く可能性を指摘している。大企業は、豊富なリソースによりコンプライアンスに投資し、成長を維持することができる。一方で、小規模プレイヤーは規制を逸脱しないための設定が困難になる可能性があるとし、一部ではヨーロッパからの閲覧をブロックするなど、トラフィックやインプレッションの機会を制限し、規制遵守を模索する動きもありうるとしている。