トランプ政権 医療費支払い能力を移民ビザ発給の条件に

942

トランプ大統領は4日、新たな大統領告示に署名し、「米国のヘルスケアシステムにとって財政的負担となる」移民の入国を停止すると発表した。

告示によると、対象は、移民ビザで米国に入国を希望する外国人。これら外国人は、ビザ申請に際し、入国後30日以内に「承認された医療保険」に加入すること、または「合理的に予見可能」な医療費を支払う財源を証明しなければならない。

新基準は11月3日より適用を開始する。

トランプ大統領は告示で「われわれのヘルスケアシステムは、未償還医療費が起こす問題に取り組んでいるが、医療費の支払い能力を証明できない数千人の外国人の受け入れによって、米国政府は問題を悪化させている」とし、「入国する移民はわれわれのヘルスケアシステム、結果として納税者にとってこれ以上の負担となるべきではない」と理由を説明。発表によると、合法移民が無保険の確率は米国市民の約3倍の高さだという。

大統領告示前に移民ビザを取得している外国人や米国市民を親に持つ子供、難民、亡命希望者などは対象外となる。実施に関しては、ビザ発行の前に、要件を満たしていることを領事官に証明しなければならないと記載。国務長官が決定の基準と手続きを確立するとし、具体的な経済力の基準などは示さなかった。

Advertisement

ニューヨークタイムズにホワイトハウス関係者が明かした話によると、新方針が主な対象としているのは、米国にいる家族を頼ってくる移民で、政府は過去数カ月にわたって検討を進めていたという。

移民政策で厳しい対応を進めるトランプ大統領は8月、公的扶助を受給または受給の可能性がある移民に対し、永住権の取得を困難にするルールを発表した。新方針は10月15日から開始を予定しているが、ニューヨーク、サンフランシスコなど複数の都市が、憲法で保障される平等な保護の権利に違反するなどとし、訴えを起こしている。