世界初「NFT」レストラン、ニューヨークに誕生

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デジタルデータのオーナシップやオリジナル性を証明可能とする技術として急速に注目を集めているNFT(非代替性トークン)。2023年にニューヨークで世界初となる「NFTレストラン」が誕生するとして、話題となっている。

計画を発表したのは新興ホスピタリー企業のVCRグループ。CEOのゲイリー・ヴェイナチャック氏は、デジタルメディアやデジタル広告事業など、数々のベンチャー事業を手掛けるシリアルアントレプレナーとして知られる。

NFTといえば、アートや音楽、動画といったデジタル作品を思い浮かべるが、同社がトークン化するのは、レストランの会員権。ホームページによると、新店舗の名は「フライフィッシュ・クラブ」で、2023年上期のオープンを目指している。場所は明らかにしていないが、ニューヨーク市内の「現存する最も美しいビル内」で、高い天井の空間で、特別な景色が楽しめるという。

料理のコンセプトは「国際的シーフードキュイジーヌ」で、特定の会員には「スシオマカセルーム」で、日本から毎日空輸される新鮮な魚介を振る舞うという。

NFT会員権は「Flyfish(FF)」と「Flyfish Omakase」の2種類。それぞれ2.5イーサリアム(現時点で約96万円)と4.25イーサリアム(約160万円)で、1月7日に発行した。発行数は2650枚と385枚。Flyfish会員は、メインダイニングルームや屋外施設、カクテルラウンジの使用や、スペシャルイベントに参加できる。Flyfish Omakase会員は、これに加えて先述の「オマカセルーム」で、「マスタースシシェフ」による握りを堪能できる。

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セカンダリーマーケットでリースしたり、販売することが可能で、売った場合、販売額の10%を同社が得ることになるという。

ちなみに料理の支払いは、仮想通貨は不可能で、米ドルのみ。非会員は、会員のゲストとしてのみ入店できる。

同社は、会員権をNFTとすることで「特別な体験を提供できるロイヤルな会員コミュニティを形成することが可能になる」と説明。また「特別かつ持続性を持ったサービスの長期的な継続を可能とする、現代的な財政モデルを構築することができる」と目的を述べている。

フォーチュンによると、同社はすでに1500枚近くを販売し、1,400万ドル(15億円)を調達したという。現在、セカンダリーマーケットにも出回っている