老舗書店ストランドブックストア建物 NY市の歴史建造物に。オーナーは反発

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創業92年のユニオンスクエアの老舗書店ストランド・ブックストア(Strand Bookstore)の建物が11日、ニューヨーク市歴史建造物保存委員会 (LPC) によって市の歴史建造物(ランドマーク)に指定された
11階建てのルネッサンス・リバイバル建築の建物は、1902年に建築家ウィリアム・バークマイア (William H. Birkmire)氏が設計した。ストランド・ブックストアは、1957年に現在の場所に移転し、家族で経営を続けている。

現在書店と建物を所有する創業者の孫、ナンシー・バス・ワイデン(Nancy Bass-Wyden)さんは、建物の維持や修繕費用が、経営の大きな負担になるとして、以前から歴史建造物への指定に反対を唱えてきた。
今回の決定を受け、ランドマーク指定は同店の望むものではなく「役所による拘束」だとして、今後も撤回を求める姿勢を示している。

ストランド・ブックストアは、ベンジャミン・バス(Benjamin Bass)氏が1927年、ウエスト・ヴィレッジの書店が立ち並ぶ「ブック・ロウ」(Book Row)のある4ストリートに創業した。その後1957年に現在の場所に移転し、1996年に建物を購入した。

ブロードウェイの7軒がランドーマークに

LPCは今回、ストランドの建物(826 Broadway)のほか、12から14ストリート間のブロードウェイにある合計7軒の建物(817, 830, 832, 836, 840, 841)を歴史的建造物に指定した。
全て19世紀の変わり目の頃に建てられており、ロマネスク様式とルネッサンス・リバイバル様式を組み合わせたデザインが特徴的な建物だ。サラ・キャロル(Sarah Carroll)委員長は、衣料産業から労働運動、映画産業や世界中で愛されるストランドブックストアなどの文化まで、ユニオンスクエア南部のブロードウェイ開発の歴史と重要性を反映する建物だとしている。

今回指定された建物の近辺では、市によって21階建ての技術トレーニングセンター建設計画が予定されており、建築物の保護主義者や地元組織からは、反発が起きている。

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ヴィレッジ・プリザベーション(Village Preservation)のアンドリュー・バーマン(Andrew Berman)エグゼクレィブ・ディレクターは、同地にある193軒の歴史的な建物の保存を求めており、今回の7軒の指定では不十分だとして非難している。