NY市 移民急増で非常事態宣言、テキサス州知事「これからも送り続ける」

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ニューヨーク市のエリック・アダムス市長は7日、急増する移民に対応するため、非常事態を宣言した。宣言により、用途が制限された地域で、テント村を開設することなどが可能になるという。

テキサス州のグレッグ・アボット知事(共和党)やフロリダ州のロン・デサンティス知事(共和党)は、春ごろからニューヨークや首都ワシントン、シカゴなど、移民に寛容的な政策を取る「聖域都市」に、中南米からの亡命希望者をバスなどで送り始めた。4月以降ニューヨーク市に到着した移民の数は、1万7,000人を超えている。

9月以降は1日あたり平均5-6台のバスが到着しており、市は滞在先の確保に追われている。現在6万1,000人が市のシェルターを利用(5人に1人が亡命希望者)しているが、その数は来年、10万人に膨れ上がる可能性があるという。

現在ランドール島でテント村の建設が進められているほか、ホテルや大型クルーズ客船の借り上げを検討していると報じられている。年度末までに10億ドル(約1,500億円)の追加予算が必要になると推定しており、アダムス氏は連邦政府や州政府に資金援助を求めた。

「南米での暴力や不安定さから始まり、米国の政治的力学で加速された人道危機だ」と指摘。「持ちこたえられない」「今後何カ月間も市民全体に影響を及ぼすだろう」と語った。移民は事前に相談なく移送されてきたと述べ、「何千人もの亡命希望者の職を支援するという合意は決してなかった」と明かした。

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さらに共和党の知事らは「シェルターに関する法律や社会サービス、われわれの価値観を政治的利益で悪用」していると非難した。

これに対し、アボット知事はツイッターを更新し、ニューヨーク市のような聖域都市は、テキサス州の国境の地域住民が毎日直面していることの「ほんの一部しか体験していない」と反論。バイデン大統領が国境の安全を確保するまで、移民を送り続けると宣言した。