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ウクライナ避難民 人身売買の標的に

ウクライナとの国境にあるポーランドの町、メディカの検問所で、警察から人道支援のボランティアスタッフらに対して、避難民の女性に支援を提供する男性に身分証の提示を求めるなど、警戒するよう指示が出ているという。英紙テレグラフが伝えた。

同紙の取材に答えた英国人ボランティアのトム・ベルさんによると、避難民の中には、フェイスブックやテレグラムを使って支援者を見つけようとする人が多く、「短い時間で、一度も会ったことのない何者かに車に乗せられて行く」人もいるという。警察は警戒体制を敷いており、女性や子供たちのために、スタッフらに対して、これらの男性が何者か身分証明書を確認するよう求めたという。先週木曜日から警戒を強めており、ベルさんは警察から「セックストレードに関することだ」と告げられたいう。

情報筋によると、女性や子供に宿泊や支援を提供するふりをして、人身売買をしようとした容疑者複数人が逮捕されているという。同紙はまた、性的搾取のために、避難民をドイツに誘い込もうとするギャングに、当局が特別な警戒を示しているとも伝えている。

国境検問所には、避難民を輸送や宿泊施設に誘導する半公式のネットワークがあるが、現在のところ、関係者以外が立ち入って、避難民を迎えるのを防止できないという。

国連難民高等弁務官事務所は、ロシアの侵攻開始以来、近隣諸国に逃れたウクライナ難民は170万人以上と報告している。

デイリーメールは、友人が人身売買の被害にあった女性の話を掲載している。女性によると、この友人は、ポーランド国境を通過後、ワルシャワまで無料で連れていってくれるという男の車に乗った。しかし到着後、男は一変。金を求め、攻撃的になったといい、働いて返せと言い出したという。幸い、友人の女性は叫んで、逃げ出すことができたという。

人身取引に関する政策提言を行う団体「CARE」のローレン・アグニュー氏は同紙の取材に、「男性は国外退避が制限されており、避難民の大半が女性と子供で、つまり脆弱なグループだ」と指摘し、「人身売買業者に搾取され、ギャングが関与してセックスワーカーにされたり、強制労働、国内奴隷にされる難民の数が増えることは間違いない」と懸念を表明。「ギャングは難民の不安定さを食い物にしており、戦争は利益をもたらす機会だ」と語った。

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