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NY市、新型コロナ感染に格差。抗体検査の陽性率43%の地域も

ニューヨーク州のクオモ知事は、ニューヨーク市の低所得者地域の住民8,000人に対する抗体検査の調査結果を発表した。

約27%が陽性反応で、市全体の陽性率(19.9%)を大きく上回った。行政地域別では、ブロンクス34%、ブルックリン29%、クイーンズ25%、マンハッタン20%、スタテンアイランド19%だった。

最も高い地域は、ブロンクスのモリサニア(Morrisania)で、陽性の割合は43%だった。同地域の黒人人口は42%、ヒスパニックが56%となっている。
次いで高かったのは、ブルックリンのブラウンズビル(Brownsville)で41%だった。同地域は黒人が80%、ヒスパニックが16%を占める。

抗体調査は、医療機関のノースウェル・ヘルスと教会団体によって実施された。

結果を受け、クオモ氏は、低所得者およびマイノリティ人口の多い地域で、検査場の数を拡大すると発表した。
ノースウェル・ヘルスの協力により、教会の検査場所を、現在の2倍の44カ所へと増加。ヘルスケアネットワークのSOMOS Community Careと協力し、28カ所の検査場を設けるほか、低所得者向け公営住宅(NYCHA)の検査場を現在の8カ所から40カ所に増加すると発表した。

クオモ氏は、公営住宅にフォーカスし、個人用保護具やハンドサニタイザーの配布や教育を通じて、地域感染の防止策を強化すると述べた。

なお、ニューヨーク市保健局が18日に発表した最新データでは、人口あたりの感染者数の割合は、クイーンズとブロンクスの地域が上位を占めた。また、人口あたりの死者数は、ヒスパニックと黒人が、白人およびアジア人の2倍だった。さらに、貧困の度合いが高くなるにつれ、死者数の割合が高いことが分かった。