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ピザ宅配人が配達先で拘束、国外退去へ。厳しさ増す不法滞在の取り締まり

ニューヨークの米軍基地にピザの配達を行った男性が、不法滞在による強制送還の危機に直面している。
1日、コロンビア出身のパブロ・ビジャビセンシオ(Pablo Villavicencio)さん(35) は、ピザのオーダーを受け、クイーンズのレストランから、ブルックリンのフォートハミルトン(Fort Hamilton)にある米軍基地へと配達を行った。

ニューヨークポストによると、基地に到着したパブロさんは、従来通り、ガードマンにニューヨーク市が発行する身分証明書、IDNYCカードを提示した。

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従来とは異なるガードマンに呼び止められ、この身分証明書では不十分だとして、なぜソーシャルセキュリティーナンバーがないのか等様々な質問を受けた。パブロさんが以前に何度か配達を行っているが、IDNYCカードのみで入場できた。その後、ガードマンが、ニューヨーク市警察(NYPD)に連絡し、犯罪歴の有無を確かめた後(パブロさんに犯罪歴はなかった)、米移民税関捜査局(ICE)に通報したとパブロさんは同紙に語った。

一方、フォート・ハミルトンの広報によると、パブロさんは、国防総省が発行する身分証明書を所持していなかったため、基地に入るためのビジターパスの取得を求められた。バックグラウンドチェックの許可に関する書類にサインをした際、現在パブロさんが不法滞在中で、国外退去に関する有効な令状が発行されていることが判明。米国連邦緊急事態管理庁を経由して、ICEに身柄を引き渡されたと説明した。

ICEによると、2010年に移民裁判官は、パブロさんがビザの有効期限が切れた後も、オーバーステイ(不法滞在)をしていたとして、国外に退去するよう命じた。この命令後も、米国を退去していなかったため、正式に国外退去命令が発行され、「ICEによる指名手配者」となっていた。

パブロさんには、米国市民権を持つサンドラさんと結婚し、米国で出産した2人の子供がいる。妻のサンドラさんは「彼は仕事をしていただけで、犯罪は行っていない。」と報道陣に述べた。
パブロさんは、昨年2月にグリーンカード(永住権)の申請を行っていたが、ICEは「申請は国外退去を免れない。」とし、来週にもエクアドルに強制送還される予定という。

移民の街に衝撃

パブロさんの逮捕は、移民が多く住むニューヨーク市に大きな衝撃を与えている。今回パブロさんが提示したIDNYCカードは、ニューヨーク市が発行している公式の身分証明書で、2015年から交付を開始した。
無料かつ限られた書類の提出で取得できるため、市内の不法滞在者(推定約50万人)も申請が可能となっていた。IDNYCカードは、政府発行のID取得が難しいとされるホームレスや低所得の老人、囚人などにも発行される。
このカードは、銀行口座の開設、アパートの契約、図書館の利用、犯罪の通報が行いやすくなる利点がある。登録の際に利用した個人情報は、市の許可なく、捜査当局や移民局に開示することはできない。

民主党のブルックリン区のエリック・アダムス(Eric Adams)区長は、「不法移民たちは、このIDを所持することで逮捕されることなく、この街での自由が確保されると言われていた。」とし「これは危険な例とみなしている」とCNNに語っている。

同様の身分証明書は、サンフランシスコ市や、ロサンゼルス市でも利用されている。

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