フィラデルフィア全米初 キャッシュレス店を禁止へ

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ペンシルベニア州のフィラデルフィア市では、現金を受け付けないキャッシュレス店を禁止する。全米初となるキャッシュレス店の禁止法案は、先月市議会で可決され、今週木曜にジム・ケニー(Jim Kenney)市長が法案に署名を行う予定。

新法の施行は7月1日から。違反した店舗は、2,000ドル(約22万円)を上限に罰金が科せられる。

法案を提出したビル・グリーンリー(Bill Greenlee)議員は、クレジットカードやモバイルペイメントのみを受け付ける店は、貧困層に対する差別であると主張してきた。

グリーンリー議員は、先月14日「ビジネスモデルの進化に応じ、差別的でないようにしなければならない。住民の10%はクレジットカードを保有していない。企業に現金での支払い受付を義務付ける法案が可決され、嬉しく思う。」と述べた。

小売店への影響も

abcニュースによると、米アマゾンは、法律が可決される場合、同地におけるレジなしコンビニのアマゾンゴー(Amazon Go)の出店を見送ると主張してきた。多数の雇用創出を阻害するため、法案の可決に反対した議員もいる。

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この反対意見に対し、グリーンリー議員は、法案には会員資格のような例外規定を設けていると述べ、これらがアマゾンゴーの誘致に有効だと述べた。

禁止法案に反対を唱えたディビッド・オー(David Oh)議員は、法案が「貧困層の助けになるかは不明である。」とし、「我々は人々をキャッシュレスエコノミーに移行するのを支援すべきだ。」と地元メディアのWHYYに語った

小売店の中には、現金強盗の危険にさらされたり、追加コストを懸念する声も上がっている。

他州でも同様の動き

キャッシュレス店を禁じる動きは他州でも広がっている。ニューヨークデイリーニュースによると、同様の法律は先月ニュージャージー州で可決され、フィル・マーフィー(Phil Murphy)州知事の署名待ちとなっている。

ニューヨーク市では、ブロンクスのリッチー・トレス(Ritchie Torres)市議会議員が、法案を提出している。
トレス議員は「クレジットカードを所有できない有色人種や低所得層、不法移民、ホームレス、シニアや若者にとって不均衡である。キャッシュレスマーケットは、社会で脆弱な人々に差別的な影響を及ぼす」とその理由を語った。

ワシントンD.C.や、シカゴ市、サンフランシスコ市でも同様の法案が提出されている。