ニューヨークでトレードショー開催、日本からも魅力の品々

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ニューヨークでは8月14日から17日にかけて、ホームやギフトアイテムを中心とした全米最大規模の商談展示会が開催された。

展示会「NY Now」は、毎年二回開催されているもので、2020年はパンデミックで中止を余儀なくされた。コロナ後の開催としては3回目。主催者の発表によると、会場となったマンハッタンのジャビッツセンターには、950のブランドが出店し、全米はもとより、世界各地からビジネスオーナーやバイヤーが訪れた。当サイト記者が、日本の商材を扱うプロジェクト「DECO BOKO」(デコボコ)のブースを訪れ、様子を伺った。

DECO BOKOは、ニューヨークとロサンゼルスで展示会やショールームビジネスに関わってきたスペシャリスト二人が、コロナ禍の2020年に立ち上げたプロジェクト。

代表で、ニューヨークを拠点に活動するレイエス真梨子さんは、プロジェクトについて「日本のブランドが売りやすく、バイヤーにとって買いやすいプラットフォーム」と説明する。ブランド単品ではなく、集合的にプレゼンテーションすることで見込み客へのリーチを伸ばし、バイヤー側にはワンストップで取引できるといったベネフィットを提供する。ブースでは、DJを招いて日本のシティポップを流すなど、「日本」を五感で感じてもらう工夫もほどこしている。DECO BOKOとしては3回目の出店となるが、規模も順調に拡大しているとのことだ。

今回は、約30ブランドの商品が並んだ。

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▼名古屋扇子の老舗、1912年年創業の末廣堂は、職人が手作業で作る色とりどり、大小様々な扇子を出品。米国でBtoBの展示会に出すのは初めてだという。担当者の話では、国内の展示会では商談に結びつかないことも多いが、本展示会ではオーダーを多く受け、予想以上の反応が得られた。マイアミからポートランド、カリフォルニアまで、全国のブティックやセレクトショップ、美術館併設のギフトショップのバイヤーらが関心を示したという。

NY NOW トレードショー

▼愛媛の老舗サンダルメーカー、ヤマト株式会社は木型から製作したレザー製の室内履きを米国初披露。日本では5年前からスタートしたラインで、姫路の皮をはじめ、なるべく国内の素材を使い、国内工場で生産している。今回は米国市場を想定し、サイズ展開を増やし、生活習慣に合わせてソールをつけたデザインも用意した。来場者には「この場で履いて帰りたい」「最終日は売ってくれますか?」と尋ね者がいるなど、好感触が得られたという。

NY NOW トレードショー

▼新潟の燕三条の建設用工具の製造メーカー、株式会社高儀は、キッチンライン「DYK」の品々を出品。デザイン性と機能に優れた包丁はニューヨーク近代美術館(MoMA)のミュージアムショップでも取り扱いがあるという。今回も、デザイン重視のバイヤーらから良い反応が得られているという。

NY NOW トレードショー

▼米国でも広く知られているコーヒー器具メーカー「ハリオ」から、調理器具のほか、アウトドア用の新ブランド「ゼブラン」のラインナップ(写真上)を展示。

NY NOW トレードショー

▼リサイクル陶土で作られた食器「TRIP WARE」

▼2004年にニューヨークで誕生したアパレルブランド「V :: room」。生地作りから生産を日本の工場で行い、肌触りにこだわったメイド・イン・ジャパンの洋服やルームウェアを販売する。ハイエンドな価格帯で、富裕層の多いエリアのブティックや高級百貨店でも取り扱われている。オーナーの津嶋優美子さんによると、前回2月の展示会ではコロナ明けの期待感から来場者に強い勢いを感じたが、今回は不透明な先行きを懸念してか、やや買い控えの傾向が見られるという。

NY NOW トレードショー

▼ブルックリンで2020年に誕生したブランド「LeSent」。爽やかな香りが特徴の自然派ボディケアブランド商品は、元ジュエリーデザイナーのChieさんが手がける。

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