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「アメリカ人か中国人、どちらかだ」米元国連大使 アイリン・グーに苦言

北京冬季五輪で3つのメダルを獲得した中国代表の女子フリースタイルスキーヤー、アイリーン・グー選手(Eileen Gu、谷愛凌 18)に、トランプ前政権下で国連大使を務め、女性初のサウスカロライナ州知事も務めたニッキー・ヘイリー氏(共和党)が「人権侵害を擁護している」などと批判した。

中国人の母とアメリカ人の父をもつグー選手は米国で生まれ育ったが、2019年に米国から中国代表選手へと転向した。ただし、米国籍を放棄したかについて明らかにしておらず、二重国籍の疑いが浮上している。中国では二重国籍が認められていない。

ヘイリー氏はリアル・クリア・ポリティクスのインタビューで、北京五輪の競技や関連イベントはまったく見ていないときっぱり。中国代表として五輪に出場することを選んだアイリーン・グー選手について、「国籍は、中国なの?アメリカなの?という感じ。とにかくどちらかに決めなければだめ。アメリカ人か中国人かいずれかでしかあり得ない。この2つの国は全く違う国なのだから、立場を選ぶべき」と述べ、「すべてのアスリートは国旗を背負う際に、自由を支持するのか、人権弾圧を支持するのかを考えなくてはならない。中間はない」と加えた。

ヘイリー氏はインタビューの冒頭、数年前に流出した、新疆ウイグル自治区で収容者とみられる男性ら数百人が、目隠しをされ、後ろ手を縛られた映像に言及。「膝をつき目隠しをさせられた状態で、自分が次に受ける仕打ちを予感する人たちの映像が頭から離れない」と話し、「その行為を支持したり、中国を支援したりするなんて、想像もつかない」と語った。

グー選手は、ビッグエア優勝後に行われた記者会見の最中、国籍に関して聞かれると「スポーツは、われわれを団結させるものであり、国籍に関係づけられるものである必要はない」と直接の回答を避け、さらに「アメリカ人であるのと同様、中国人だと感じている。アメリカにいる時はアメリカ人で、中国にいる時は中国人だ」などと話した。

グー選手は今大会で、ビッグエア·フリースタイルスキーとハーフパイプで金メダル、スロープスタイル·フリースタイルスキーで銀メダルを獲得した。競技に加えてモデルとしての仕事もこなし、中国語も流暢であることから「ミス・パーフェクト」「スノー・プリンセス」と賞賛されるなど、国内の人気が高い。昨年の推定年収は3,140万ドル(36億円)とも伝えられており、これが正しければ女子アスリートとしてはテニスの大坂なおみ、セレーナ・ウィリアムズに次ぐ高収入となる。スポンサーにはルイ・ヴィトンやヴィクトリア・シークレット、ティファニーなど世界的な有名ブランドが名を連ねている。

グー選手は来年からスタンフォード大学へ進学し、フリースタイルスキーの選手として現役を続行する計画だという。

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