ナイキ 旧星条旗スニーカー販売中止に共和党議員から怒りの声

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米ナイキは、独立記念日を記念して製作したスニーカー「Nike Air Max 1 Quick Strike Fourth of July」の販売を中止することを決定した。ウォールストリート・ジャーナルが報じた。

スニーカーは、独立戦争時代の星条旗=ベッツィー・ロス フラッグをフィーチャーしたデザインで、今週の発売を予定していた。ベッツィー・ロス(Betsy Ross)は初めて星条旗を裁縫した女性として知られる。

販売中止の決定には、元サンフランシスコ・49ersのクオーターバック、コリン・キャパニック(Colin Kaepernick)氏が、1770年代の星条旗が奴隷制時代を想起させるとして、懸念を表明したことが影響したとみられている。

ナイキの決定に対し、共和党議員を中心に批判の声が広がっている。

テッド・クルーズ上院議員(共和党 テキサス州)は、ナイキは「彼らの靴がアメリカ国旗に対する侮辱を表すと決断した」とツイート。

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さらに、「私はアメリカを愛している。国歌を支持し、国旗を敬う。わが国を守るために戦った男女を称える。」と投稿を続け、「今後、ナイキ製品を購入しない。」と語った。

ジョシュ・ホーリー(Josh Hawley)議員(共和党 ミズーリー州)は、「ナイキは反アメリカ的だ」と述べ、「我々の法を利用して、賃金搾取のために海外に仕事を流出し、抑圧的な体制とパートナーを組んで、アメリカの税逃れを積極的に行なっている。」と批判。「国民を中傷したことに対して謝罪するべきだ。」とツイートした。

アリゾナ州のダグ・デュシー(Doug Ducey)知事(共和党)は、「国家の独立を祝福する代わりに、ベッツィー・ロスは価値がないと判断した。ポリティカルコレクトネスと歴史修正主義の激しい攻撃に屈した」と述べ、州商務当局に対して、工場建設のために州が提供する奨励金について、取り下げを命令をしたと発表した。

地元メディアは前日、ナイキがアリゾナ州グッドイヤーに1億8,450万ドルを投じて工場を建設する計画を報じていた。提出された資料では、工場は2020年の稼働を予定。最初の3年間で少なくとも505人の正社員の雇用を見込み、最初5年間で、4億8,540万ドルの経済効果が期待されている。グッドイヤーの市議会は1日、計画を承認した。

キャパニック氏は、2016年、NFL公式戦の国歌斉唱の際、起立を拒否し、膝をついたことで知られる。この行為は、警察官による黒人への暴力に対する抗議を示したもので、その後、他のチームの選手に波及した。

キャパニック氏は過去2シーズンプレーをしていないが、ナイキ社との関係を継続しており、昨年のナイキのシグニチャーフレーズ「Just Do It」の30周年キャペーンに起用されている。