米中首脳会談 ファーウェイ制裁緩和に議員らが非難

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大阪で開催されたG20の閉幕後の記者会見で、トランプ大統領は中国の習近平国家主席との会談に触れ、凍結していた両国間の貿易交渉を再開し、3,500億ドルの輸入品に対する追加関税を当面は課さないと発表した。

さらに5月に米国企業との取引を禁じるエンティティ・リストに追加した中国の通信機器大手「ファーウェイ」について、制裁を緩和する意向を表明。「米国企業はファーウェイに設備を販売しても良い」と述べ、「国家安全保障への大きな危険がない分野における設備について話をしている」と、限定的に販売を認める方針を示した。

トランプ大統領の意向に対し、中国側の取引慣行に是正を迫る上で、制裁を重要なカードと考える議員らから反対の声が上がった。

ジョン・バラッソ( John Barrasso)上院議員(共和党)はNBCの日曜報道番組「Meet the Press」で、「ファーウェイについてとても懸念している。私は彼らを安全保障上の脅威だと考えている」と語った。またファーウェイを「情報を盗むトロイの木馬のようだ」と述べるなど、反対する意向を示した。

マルコ・ルビオ(Marco Rubio)上院議員(共和党)は、制裁の後戻しを「壊滅的な過ち」と述べ、「その企業(ファーウェイ)が与える脅威に対する政権の警告の信用を破壊する。二度と誰も警告を本気にしないだろう」と語った。

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さらに、「我々は立法でもって制裁を元に戻さなければならない」と法案を提出する意向を語った。

民主党の上院トップ、チャック・シューマー(Charles Schumer )議員は、トランプ大統領の決断を「容認できない」とし、「ファーウェイは中国に公平な貿易を迫る数少ない強力な手段だ。中国の不公平な貿易慣行を改めさせる力を劇的に弱めることになる」と語った。

議員らの批判に対し、CBSの日曜の報道番組「Face The Nation」に登場したラリー・クドロー国家経済会議(NEC)委員長は「米国企業に商務省が追加ライセンスを与えるのは、一般的な商品に関してで、安全保障の機密に関わるものではない」と語った。一般的な商品についてクドロー氏は「様々なチップやソフトウェア、その他サービスなど世界中で手にはいるもの」と説明した。

さらに「トランプ大統領は国家安全保障の懸念について譲歩したわけではない。我々は、ファーウェイを巡る大きな危険を認識している」と強調した。