民主党候補者討論会 初出場のブルームバーグ氏に厳しい追及

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ネバダ州では、22日の党員集会を前に6人の民主党候補者による討論会が開催された。

序盤から、初めて討論に参加したマイケル・ブルームバーグ前ニューヨーク市長を他の候補者が厳しく批判する展開となった。

エリザベス・ウォーレン上院議員(マサチューセッツ州)は「われわれが何者と対峙しているのか話したい」と切り出し、「女性に対してデブや馬顔のレズビアンなどと呼ぶビリオネアだ」と過去の発言を指摘。続けて「私はドナルド・トランプについてではない、ブルームバーグ市長について話しているのだ」と名指しした。発言は、英国のロイヤルファミリーについてブルームバーグ氏が話したもので、1990年に従業員がブルームバーグ氏の48歳の誕生日を記念して制作した発言集に掲載されているという。

ジョー・バイデン前副大統領は、ブルームバーグ氏が誤りを認め、謝罪をした市長時代の「ストップ・アンド・フリスク」について、500万人近くの黒人の若者が対象となり、オバマ大統領が介入するまで辞めることはなかったと指摘した。

ピート・ブティジェッジ前インディアナ州サウスベンド市長は「実際に民主党の人物を打ち出そう」と述べ、「この党を焼きつくしたい候補者か、この党を買収しようとする候補者のどちらかで選ぶ必要はない」とサンダース氏とブルームバーグ氏を牽制した。

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エイミー・クロブシャー上院議員(ミネソタ州)は、「ブルームバーグ市長の登壇を歓迎している。」と述べつつ、「彼はテレビ広告の後ろに隠れるべきではないと思う」と、資金力を背景にテレビやネット広告を中心に選挙戦を展開するブルームバーグ氏を皮肉った。

一方、富の再分配を巡る議論の最中、サンダース氏が、労働者が企業の役員会に入るべきだと持論を述べると、ブルームバーグ氏は「この会話ほどドナルド・トランプの再選を容易にするものはほかに思いつかない。ばかげている」と非難。「われわれは資本主義を捨て去ることはない。すでに試したではないか。他の国がやったではないか。それは共産主義というもので、機能しなかったのだ。」と主張した。

これに対してサンダース氏は「共産主義ではなく、民主社会主義について話そう。」と反論。ブルームバーグ氏の発言を「陳腐な攻撃」と言い返した。

さらに「われわれは多くの方法で社会主義のソサイエティに暮らしている」と述べ、「マーティン・ルーサー・キング牧師が思い出させたように、問題は、われわれには金持ちのための社会主義と、貧乏人のための厳しい個人主義があるということだ」と語った。

ネバダ州の党員集会は22日に実施される。なお、ブルームバーグ氏は同州および29日のサウスカロライナ州予備選を含む緒戦の4州には参加していない。