米人気グラミー賞歌手ナオミ・ジャッドさん死去、自殺か

450
Naomi Judd @Joe Seer/Shutterstock

先週訃報が報じられた米カントリー歌手、ナオミ・ジャッドさん(76)について、People誌は、複数の情報筋による話しとして、長年の精神疾患との葛藤の末に、自ら命を絶ったと伝えた。

ナオミさんは、娘ワイノナ(57)さんとのデュオ「ジャッズ」(The Judds)で1983年にデビューを果たした。1991年に活動を休止するまで、6枚のアルバムを発表。14曲がビルボードランキングのカントリー部門でトップ入りした。グラミー賞の最優秀カントリー・デュオ/グループ・パフォーマンス賞を5度受賞するなど、カントリー史上に残る輝かしい成功を納めた。1991年にナオミさんがC型肝炎を患った後、ワイノナさんはソロ活動をスタートした。デュオはその後も、イベントや再会ツアーなどで、たびたび復帰を果たしていた。

もう一人の娘アシュレー・ジャッドさん(54)は女優で、ハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ被害をいち早く訴え出て、#MeTooの先陣を斬った人物。

ナオミさんの訃報は30日に、アシュレーさんとワイノナさんの連名で発表されたが、死因は明かされていなかった。

死亡の翌日の1日は、奇しくも親子でカントリーミュージック殿堂博物館の表彰式に出席し、殿堂入りを果たす予定だった。式典には母親の代わりにアシュレーさんが、ワイノナさんとともに登壇、涙ながらに母への思いを語った。

Advertisement

アシュレーさんは「母は皆さんをとても愛していました。母が今日を迎えることができなくて残念です」と話し、「皆さんの母に対する尊厳と敬意は、本人が実感していました。その思いがここ数年の間、母の背中を後押ししていました」と語った。

ナオミさんは生前、精神病を公表しており、2016年に米情報番組「グッド・モーニング・アメリカ」に出演した際、数年間、深刻な鬱症状に悩まされ、引きこもり状態だったと明かした。症状は2011年、「ラスト・アンコール・ツアー」と称したジャッズの全国ツアーが終了したあたりから深刻になったと説明。「(ファンは)キラキラした私のヘアスタイルにあるライムストーンを見て、(輝いてる姿が)本当の私の姿だと思っている。でも、家に帰ると、3週間も外出せず、パジャマを脱ぐこともなく、ほとんどシャワーを浴びない。それは本当に良くない状態だった」と明かした。2016年に発表した自叙伝「River of Time」では、自殺を考えたことがあったと告白していた。

米自殺防止ライフライン:1-800-273-8255、東京自殺防止センター:03-3207-5040 (befrienders-jpn