父親の犯行か、ベビーカー押していた20歳の母親が射殺される

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マンハッタンで29日夜、生後3カ月の乳児が乗ったベビーカーを押して歩いていた20歳の母親が、背後から頭部を撃たれ、殺害される事件があった。

Foxニュースが情報筋の話を元に報じたところによると、「参考人」に子どもの父親の名前があがっている。女性は、家庭内暴力を受けていたと伝えられている。

事件があったのは午後8時半ごろ。女性は、アッパーイーストサイド(95ストリートとレキシントンアベニュー)の交差点を歩いていたところ、何者かに至近距離から後頭部を撃たれた。病院に搬送されたが、1時間後に死亡が確認された。

犯人は、その場から逃走した。黒のパーカーにスウェットパンツを履いていたという。事件現場の近くには公園があり、多くの子どもたちが銃声音を聞いていた。

家庭内暴力の被害者か

被害者の母親、Lisa DesortさんはFoxニュースに対し、娘は「何度も」警察署に通報していたと述べ、今年1月から家庭内暴力として事件化されていたと明かした。さらに「彼女は保護されるべきだった」と警察の対応を非難した。

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死亡した女性には、生後3カ月の乳児のほか、別の男性との間にもうけた2歳の子どもがいるという。Desortさんは「娘は16歳の時から働き、人々の世話をしてきた。最高の母親だった。このような目に遭うべきではない」と悲しみを語っている。

ニューヨークデイリーニュースは、女性がこの日、子どもの父親と会う予定だったと報じている。女性は妊娠中に繰り返し暴行を受けており、人生を共にすることができるか疑問を持っていたという。

捜査関係者は同紙に「流れ弾に当たったのではなく、標的にされたようだ」と話した。女性の頭には、爆薬でやけどを負った跡があり、至近距離から撃たれたと語っている。

事件当日に会見を開いたエリック・アダムス市長は、「市中に出回っている銃の数が急速に増加している」と述べ、「無実の市民に銃を向けることに恐れを感じていない」と警戒感を示した。

なお、事件が起きたアッパーイースト地区(第19管区)はニューヨークで最も安全な地域のひとつで、昨年の殺人事件は2件、今年は報告がされていなかった。ただし、暴行罪や強盗などの主要犯罪は44%増加している。

今年市内で起きた発砲事件は747件で、前年同時期に比べ8.6%減少している。