NY州ユダヤ教ラビ宅刺傷事件。容疑者は無罪主張

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28日夜、ニューヨーク州郊外のロックランド郡モンシー(Monsey)で、男がハヌカを祝っていたユダヤ教徒の指導者宅に押し入り、なたで5人を刺す事件が発生した。車で逃走していた男は数時間後にハーレムでニューヨーク市警察に拘束された。

容疑者は無罪主張

グラフトン・トーマス(Grafton Thomas)容疑者(37)は29日、白のオーバーオール姿でラマポタウン(Ramapo Town)裁判所に出廷した。
容疑者は5人の殺人未遂と強盗容疑の罪に問われたが、無罪を主張。保釈金は500万ドルに設定された。

ロックランド郡の地方検事補は、容疑者が発見された時、車内から漂白剤の匂いがし、証拠を隠滅しようとした可能性があると主張している。また被害者らとの面識はなかったとしている。

NYポストによると、アップステートのグリーンウッドレイク(Greenwood Lake)在住の容疑者は、20年にわたり精神疾患を患っており、入退院を繰り返していたという。
なおJournal Newsによると先月20日、事件現場のシナゴーグ(協会)近くで、30歳のユダヤ教徒の男性が何者かに暴行される事件が発生した。その際現場付近にいたトーマス容疑者が、警察の取り調べを受けたが、罪に問われることなく釈放された。

NY州知事は「国内テロ行為」と非難

アンドリュー・クオモ(Andrew Cuomo)ニューヨーク州知事は29日、「憎悪を駆り立て、恐怖を煽る国内テロ行為で、容認できない。」と今回の襲撃を非難した。ニューヨーク州全域で、正統派ユダヤ教徒の居住地区の警備を強化するよう命じた。

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ビル・デブラシオ(Bill de Blasio)ニューヨーク市長は29日、警察官の増員や中高生を対象とした憎悪犯罪に関する教育カリキュラムの実施など、憎悪犯罪の防止に向けた一連の対策を発表した。

ニューヨークタイムズによると、反ユダヤ人攻撃の通報は昨年比18%増加している。先週日曜の段階で214件寄せられており、昨年の同時期よりも32件増加した。
ユダヤ教徒の祭日ハヌカの期間中(12/22-28)には、ユダヤ人への憎悪犯罪が9件発生していることが分かった。