転売で取り返そうとした?水原通訳 大谷選手の資金でベースボールカード5,000万円分購入

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連邦検察は12日、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手から1,600万ドル以上を盗んだとして、元通訳の水原一平氏を銀行詐欺罪で起訴した。

水原氏は翌朝、検察に出頭。同日午後、ロサンゼルスの裁判所に出廷した後、保釈金2万5,000ドルで釈放された。5月9日に罪状認否が行われると報じられている。

税務当局の捜査官が起訴状の補足として作成した宣誓供述書によると、水原氏は2021年11月から2024年1月にかけて大谷選手の銀行の預金口座から1,600万ドルを違法スポーツ賭博のブックメーカーに関連する口座に送金していたとされる。

水原氏の賭けの記録を記したとされるExcel スプレッドシートからは、約2年間で1万9,000回にわたって一回あたり平均1万2,800ドルを賭けていたことがわかった。勝ち負けの合計はマイナス約4千万円ドル(勝ちが約1.4億ドル、負けが約1.8億ドル)に達していた。

大谷選手の口座の送金には、水原氏に関連するIPアドレスやコンピューターが用いられたほか、口座の連絡先は水原氏に関連する電話番号とメールアドレスに変更されていた。銀行に電話で大谷選手本人と名乗り、自動車ローンのためと偽ってブックメーカーに資金を送金しようとたこともあったとされる。

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水原氏の携帯電話には、数百ページにおよぶブックメーカーやその関係者とのテキストメッセージのやりとりが含まれていた。

賭けを始めておよそ一年後には「スポーツ賭けが下手なんだ(笑)。もう一度賭け金を増やしてもらうことは可能ですか?ご存知のとおり、支払いについては心配はありません」と要求。昨年11月には「正直に言うと、ここ数年で仮想通貨でたくさん失って、明らかにスポーツでも大打撃です。ちょっとお聞きしたいのですが、金額について解決できる方策はありませんか。すでにサイトであまりにも多くを失いました。もちろん、それが私のせいであることは承知しています」と告げていた。

この2日前には、ブックメーカーから水原氏に「なぜ電話を折り返さないんだ。私はニューポートビーチに居て、(大谷選手)が犬の散歩をしているのが見える。そこに行って彼と話して、返事がないからどうしたら連絡が取れるのか尋ねるつもりだ。すぐに折り返してくれ」と脅すようなメッセージもあった。

さらに今年の1月~3月にかけて、大谷選手の口座からeBayとWhatnotといったオンラインマーケットプレイスに、32万5,000ドル以上が送金されていた。転売する目的でベースボールカードを購入したとみられ、水原氏の車にあったブリーフケースや箱からはヨギ・ベラやフアン・ソトといった選手に加え、大谷選手のカードも見つかったという。

大谷選手は今月2日と3日に事情聴取に応じ、水原氏に自分の口座へのアクセスを許可しておらず、送金について承諾したことはないと説明している。捜査官はまた、ギャンブルの賞金が水原氏自身の銀行口座に入金されているにもかかわらず、大谷選手が賭博の債務を自分の口座から支払うことに同意するといった主張には信頼性がないと指摘している。