米俳優マシュー・マコノヒー「狂った人物の憲法修正第2条にうんざり」ホワイトハウスで銃規制強化訴え

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米俳優マシュー・マコノヒー(52)は6日、ホワイトハウスの記者会見室に登壇し、銃規制の強化を訴えた。

マコノヒーが生まれ育ったテキサス州ユバルディでは、先月24日、18歳の男が小学校の教室内で銃を乱射し、児童19人と教師2人が死亡した。

事件後、マコノヒーは妻のカミラ・アルベス夫人と、遺族に面会したという。会見で「両親がわれわれに何を望んでいるか知っていますか?」と問いかけ、「子供たちの夢が生き続けることを願い、彼らの失われた命が重要なことを分かって欲しいと思っている」と語った。

会見に同席したアルベス夫人が手にしていた緑色のコンバースのスニーカーを指し示し、事件で亡くなったマイテ・ロドリゲスさん(10)のものだと説明。ハートマークが入った靴がなければ、本人と認識できなかったと述べ、事件の凄惨さを示した。

ロドリゲスさんは、海洋生物学者になるのが夢だったという。マコノヒーは、娘が海にゴミが増えるのを嫌がっていたという理由で、母親が追悼式で風船を飛ばすのを辞退したというエピソードに言及した。また犠牲者の1人、アリシア・ラミレスさん(10)の自画像を紹介し、パリの美大に進学し、世界で芸術を広める夢を抱いていたと語った。

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銃の所持者でもあるマコノヒーは、「狂った人物に、憲法修正第2条(銃を持つ権利)が悪用され、乗っ取られたことにうんざりしてる」と話し、「アメリカ人の価値観を修復する必要がある。銃の所有者の責任が必要だ」と主張した。

銃乱射事件の容疑者サルバドール・ラモス(18)は、事件の数日前、AR-15スタイルのライフル銃2丁を合法的に購入していた。

さらに「身元調査や、AR-15スタイルのライフル銃を購入できる最低年齢を21歳に引き上げる必要がある」と主張。加えて「待機期間やレッドフラグ法など、これらを悪用する人々への責任を求める」と銃規制の厳格化を訴えた。これらの規制は「後退ではなく、市民社会と憲法修正第2条に対する前進」と主張している。

銃規制は「超党派の問題」と指摘し、「再選のために生きているのであれば、本当のリーダーになれない」と真の改革を求めた。20分間に及んだ会見で、演台をたたくなど、感情的になる場面もあった。

マコノヒーはこの日、バイデン大統領やクリス・マーフィー上院議員(民主・コネチカット州)や共和党の議員らと面会したと伝えられている。

ニューヨークポスト紙によると、会見を終えたマコノヒーは、質疑応答に答えることなく会場を後にしたが、保守系メディアの記者からは「スタンドプレーではないか?」とのヤジが飛んだほか、またABCニュースのジャーナリストも、カリーヌ・ジャン・ピエール報道官に、記者室にゲストや有名人を呼ぶ場合は、記者からの質問を受け付けるよう求めたという。

なお「ダラス・バイヤーズクラブ」で主演男優賞を受賞したマコノヒーは昨年、中道派として、テキサス州知事選への出馬を検討していたが、11月に立候補しない意向を示している。